3年選択授業 四角面和の実践記録
平成10年度第2学期4時間にわたる記録
第2時までの流れを思い出させる。
T では、GCで台形の場合に「あ+い=う+え」となる点を探してみよう。
ダウンロードしたデータは、測定値の桁数が小数2桁となっていたが、整数値となるように設定しておいた。
S 4つの三角形の面積が全部17となって、等しくなるはずなのに、和が違ってくる。どういうこと?
S なかなか見つからない。ないんじゃないか。
S 数値をみると、Eというのが入るときがあるけど、これ何?
というようなつぶやきがあった。
T どうも見つからないようだね。それでは、GCをあきらめて、紙の上で考えてみよう。
これ以上、GCを活用しても、このあたりにありそうだということは推測できても確定できないために、GCの活用をやめさせた。子どもたちの方から自然に、紙の上で考えてみようという動きをしてくれるとうれしいのだが。
紙の上での追究をさせた結果・・・
S
対角線の中点に点Eを持ってきて、あ+い=う+え となることを示す。
S 等脚台形の場合に限ってとしたうえで
ABの中点に点Eを持ってくる。
2つの考えが出された。2つの考え方を大いに賞賛した。等脚台形という特別な場合に限って考えたことは、考えるきっかけをつかむ上でとてもよいことも付け加えた。
T 対角線はACを引いてもいいわけなので、一つは等脚台形の場合だけど、これで式を成り立たせる3つの点が分かったわけだ。この3つから他の点はよそうできないかな。
すぐに出そうだと思ったが、反応はない。時間切れとなる。もう1時間考えることにして終了する。
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授業後、5人の生徒が黒板の前にきて、等脚台形について発表した生徒に、なぜABの中点と点Eを結ぶとよいのか、よく分からないと質問が始まった。こちらが授業中にきちんと取り上げていなかったことが原因であるが、黒板を前にしてのやりとりはなかなかおもしろかった。説明者が間違った説明をしたことで、よけいに盛り上がったのである。
発表者の間違った部分を紹介しておく。
「●と○が等しいでしょ」
「えっ、等しいわけないでしょ」
「Dを通って、ABに平行線をひくと、平行四辺形ができるでしょ。○の方 が絶対に大きいでしょ」
「そうかあ。でも・・・」
発表者は自分の考えがまず違っていたことを認めたが、それでもABの中点と結ぶ考えは正しいと主張。
5人でごちゃごちゃ話し合いながら、さらに点Eを通って、CDに平行線を引き、面積が差し引き0となって等しいことに落ち着く。次時は、この話し合いを再現することから始めることにする。