3年選択授業 四角面和の実践記録
平成10年度第2学期4時間にわたる記録
T 前の時間では、あ+い=う+えということが分かったね。ところで、この式を成り立たせる点Eというのは、ここだけしかだめなのでしょうか。(第1時の図を参照のこと)
S ほかにもある。
T いくつくらいあるんですか?
S 無限。
S 無限とはいえないのじゃないか。
T それはどういう意味ですか。
S 点Eが長方形の外にいってしまったら、だめだから。
T なるほど。そうしたら、辺の上はいいのですか。
S 三角形がなくなるから、だめだと思う。
S 「う」の三角形の面積を0と考えれば、いいんじゃないか。
T どちらの立場で考えようか。辺の上はいい?だめ?
(この発問で挙手をさせたところ、全員が辺の上もいいということになった。三角形がなくなると発言した生徒も確認をしたかったと発言した。)
T もうちょっと、こだわってみようか。辺の上ならどこでもいいんだね。じゃあ、頂点にきたら、どうなの?
S 二つの三角形が面積0と考えればいい。
(ここまでで、点Eは内部であれば、どこでもいいことを押さえた。)
T では、長方形を平行四辺形にしてみたら、どうだろうか?点Eはどこでもいいの?
S 外側でなかったら、どこでもいい。
T では、点Eが上図の場合、 あ+い=う+え であることを言いましょう。
S 「う」の面積はCD×うの高さ×1/2、「え」の面積はAB×えの高さ×1/2で、合わせれば、平行四辺形の半分の面積となるから。
S 長方形で使った補助線をいれればいい。
T この補助線はなかなか有効だね。点Eが平行四辺形の内部にあれば、あ+い=う+えとなることをGCを使って確かめておこう。
GC活用(あらかじめダウンロードしておいたデータをサーバーから各自が呼び出し、点Eを動かし確かめる。操作が不慣れなこともあって、この段階で10分ほどの時間をとってしまった。)
T では、長方形や平行四辺形の場合を考えてきたが、今度はどんな図形の場合を考えたいですか。
S 台形、四角形、ひし形、正方形
T では、みんなで考えていくために、アンケートをとりましょうか。調べてみたい図形に手をあげてください。
台形が多く、次に四角形(一般)となる。ひし形、正方形は数人である。
T 台形が多いけれど、どうして台形を調べてみたいのですか。
S 台形の場合は補助線が使えそうにないから。
S 平行四辺形で調べたので、ひし形、正方形はもう調べなくてもいいと思うから。
この二つの考えは大いに賞賛し、さっそく台形を調べることにした。
T 今度はGCを使って、あ+い=う+えとなる点Eを探しましょう。
生徒は台形を呼び出し、点Eを動かし始めた。十分な時間がなく、次時に行うことになった。