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中学校 数学
「★をつかめ」見学記

愛知教育大学附属名古屋中学校:玉置 崇 教諭

「きまり」を発見できるか
写真 「24が不可解だよなあ、25でやってみようか」と試してみる生徒もいる。2、3分で、「わかった」「できた」という声があがる。「勘だな」という声が聞こえてくる。しかし、大半の生徒はまだまだ奮闘中である。
 画面の★を見て、予測を立てて数を入れる生徒。「またわけがわからないのが来た」とぼやき声も起きる。どこに★が表示されるかは気にしないで、順番に数とジャンプの関係を試してメモするシラミつぶし方式をとる生徒。さまざまだ。
 10分あまり経ち、「あ、わかった、わかった」と声をあげる生徒が出てくる。

メモ(情報整理)の仕方
S君の表
写真
 先生が行き詰っている生徒に助け舟を出す。「いろんなメモの仕方があるみたいだけど、いいなあと思ったのはね、5つのマス目を作って、1を入れたらここの人がジャンプした、2を入れたらここの人がジャンプした、3を入れたらここの人とここの人がジャンプしたぞって、順番に整理していく方法。
 するとなんか見えてくる。そういうふうに見やすく整理してる?」。黒板には、先生から指名された生徒が自分のメモを書きうつしている。それを見て、自分が集めた情報を整理しなおす生徒もいる。

授業開始から30分経過
 ややしばらくして、「もう見つかったよっていう人、手をあげて」と言われて、かなり手が上がる。「まだの人もいるかもしれないけど、ここで話をはじめよう」と先生がきりだす。
 ここまでで、授業開始から30分ほどである。

にぎやかに成果の発表
愛狂亭三楽 ? まず、どうやってわかったかを生徒たちが発表する。最初に名乗りをあげたS君の説明が難航しはじめた。「S君が言わんとすることがわかった人、うまく助けてやって」と先生が提案し、M君が助っ人を買って出る。
 「1を入れると1番目が跳ぶ。2を入れると2番目が跳ぶ。3を入れると1番目と2番目が跳ぶ。1と2を足すと3ではないか。だから2人とも跳ぶのではないかってことだとおもう」という援護射撃に、S君は「えっ、そうなのか」と驚き、しかし自分が言いたかったことは違うと言う。
 黒板のここを君のステージにしてあげるからここに書いてみて、と先生からの提案。どうやらS君は、右上の写真(S君の表)のような表のジャンプのマークを入れる位置に、一定のパターンがあることを言いたいようだが、うまく説明できない。表をパターンとしてみるビジュアル派らしいが説明に苦戦する。
 次々と発表は続く。どこがわからないか。どうやって発見したか。
 「右から1、2、3、4、5と付いてるとおもった。1、2ではうまくいって、3ってやったら期待を裏切られた。4ってやったら、3番目だった。全部をジャンプさせるには31で、右3人の1足す2足す4を31から引くと24・・・そこまではわかったけど、トドメのひと押しがわからない」と言う生徒。問題は絞られてきている。
写真 「わかった人は、どういうふうに発見したんだろう」という先生の問いかけに、「24で左の2つの星が取れる。だから、足して24になるパターンを考えてみたら、8と16が出てきたので、これが数学的に玉置先生の性格に合ってるとおもった」という生徒。「8、16っていけば、きれいだもんね。わかりあえたなあ」との先生のコメントに爆笑が起きる。
 「勘です」という発言に、「ホントに勘? うそでしょ」と言う生徒。
 「1、2、4、8、16と1から2倍になってる。その数字を組み合わせると、1から31まで、すべての数字を作ることができる。どうしてかはわからないけど」という意見も出る。「え、全部できるの?」とびっくりしている生徒もいる。

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