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表1 指導案 ▼ | |||||||||||||||||||||||
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指導案は、表1に示しました。 授業前に、こんな質問をしてみました。 「今までに、電報を打ったことのある人は?」という問いで、さっと手が上がった一人を指名。 「僕は、叔父さんの結婚式のお祝い電報を打って、新婚旅行のおみやげをもらいました」と、笑いとともに授業が始まりました。 「今日は、みんなに電報を打ってもらいたいと思います。ところで、NTTに対して第二電電があるように、コンピュータの中には、A・B・Cの三つの電報局があります。どこの電報局で打つと一番安いのか探ってほしいと思います」という投げかけに、生徒達は早くやってみたいという意欲的な表情を示してくれました。生徒達のはやる気持ちを抑えながら、このソフトの使い方(電文入力の仕方、例文の使い方、料金表示方法)を簡単に説明しました。 ![]() 指導者にとって、一番楽しみなのは、生徒達がどのような電文で、三つの電報局の料金体系を明らかにしてくれるかということです。入力する電文を見れば、その生徒の思考がどれだけ深まっているかがわかります。例えば、解決への見通しを持って取り組んでいる生徒の電文には、規則的な変化が見られます。 また、集団での話し合いがより焦点化できるように、生徒達のいろいろなアプローチのしかたをできる限りとらえておくことが、とても大切になります。生徒の活動が簡単に記録できるようにメモ用紙を持って、生徒の間をぐるぐる回って、情報収集を一生懸命しました。 まず、だれでも最初は、ちゃんとした電文を入力します。それも電報であることをかなり意識して、友達に緊急に知らせたいメッセージなどを入力する生徒もいました。 しかし、すぐにそれでは問題解決ができないことに気づきます。むやみに電文を入力しても、関数関係が見えてきません。電文の何の違いによって、料金が変わってくるのかを発見することが、解決への鍵となります。電文の長さの違いなのか、電文に使ってある文字の種類の違いなのか等、観点を決めて電文を少しづつ変更して、関数関係を見つけていくことがポイントとなります。 | |||||||||||||||||||||||
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上(図1〜3)に、生徒達の出した主な電文と、そこから導き出した考えを紹介します。このように電文が自由に入力できるため、電文は十人十色ということになりました。 入力した電文は、すべて画面上に残っていますので、自分の取り組みをわざわざ記録しておかなくてもよいという利点があります。逆に、取り組みの経過はわからなくなりますが、一度料金を出した電文でも、加工し直すことができますので、それに気づいた生徒は、少しずつ電文を手直ししながら、料金体系を能率的に見つけようとしていました。 ここにあげた三人の生徒の考えは、すべて正しいというわけではありませんが、それぞれの生徒がコンピュータに働きかけて得られた情報を基に、判断した結果なのです。 ![]() また、いろいろな思考の観点がわかってきます。例えば、ひらがなと漢字ばかりの電文を考えていた生徒は、アルファベットやカタカナが混ざった電文を試した友達の考えは、大いに参考になるはずです。 実際の話し合いの場では、最初に指名した生徒から、次のような考えが発表されました。
また、同じ電文を繰り返すことで、例えば、「あ」「ああ」「あああ」のように電文を入力し、料金がそれに伴って、2倍、3倍となれば、正比例の関係が潜んでいることを見つけることができることが話題となりました。 授業の終わりには、学習した成果を確かめるために、「来週の月曜日に、研究室に伺います」という電文は、どこの局を利用すれば一番安いかを考えさせました。 |
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