教育つれづれ

第21話 互いがブレーンである組織でありたい

平成14年3月21日

 
私は、「組織は互いがブレーンであるべき」であると思っている。ブレーンとは互いに専門的な助言を与える一人ということである。これはあなたの仕事だから関わりませんではなく、互いが互いの助言者でありたいと思う。
このようなことを企業の方に話したら、次のようなおもしろい話を聞いた。
コンピュータシステム構築の発想がますます人間らしくなりつつあるというのである。その昔は、システム化された企業の基幹(サーバー)コンピュータは大型コンピュータ1台でシステムの維持・管理を行っていたが、それではそのコンピュータがダウンした場合、あまりにもリスクが大きく、企業の生命線をも絶たれる危険性をはらんでいた。そこで、「サーバー分散方式」がとられるようになったという。いくつかの小型のコンピュータに仕事を分散させ、企業全体のシステム管理の維持・管理を図るのである。
特に人間的なのは、それぞれのコンピュータが他のコンピュータの仕事をミラーリングと称して補完しながら、「あなたのお仕事を私も少しずつお手伝いしていますよ、あなたが少々失敗しても大丈夫よ。こんな情報を使ったらいかが。」といった感じでコンピュータが互いに連鎖されていることである。平成12年度最後の打ち合わせで及川先生が「チームワークのよさ」について触れられたが、まさにコンピュータシステムの中にもコンピュータ個々が互いにブレーンとなる人間くさいシステムが生まれてきている。改めて人間が構築するコンピュータシステムだからこそ、人間組織のよさを反映させようとするのだと感心した次第である。

*この文章は平成13年4月2日に職員に新年度を迎えるにあたって示した文書である。

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