教育つれづれ

第2話 生徒の発言をつぶす

平成13年11月11日

先日見た、ある学校での数学の研究授業で・・・。

円周角の定理を発見させようと、生徒一人一人に円周角を測るという作業をさせていました。結果発表の場面でのシーンです。

みんなは、どの円周角も同じ角度になっているけれど、自分は違っているので困っていたのでしょう。でも先生にうながされて発表しました。

「48°、49°」

私は「よし、よし」と思いました。当たり前です。違って当然です。でも、どうも等しそうだから、測定だけでなくて、論理的に考えてみようかと授業を展開すればいいわけです。

ところが、

「48°、49°か。」

この「か」という一言、発表した子どもにどんな思いをさせたか、その先生は気づいていないのです。そして、そのあと、その子どもの測定値を生かすような教師の言葉がいっさいなかったことが、残念でした。

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