学校支援ボランティア活用の本質
第10回たくみの会(平成12年11月24日)より
*この記録は全国あちこちで始まっている「学校支援ボランティア活用」について、これまでの実践等をもとに参加者で話し合ったものです。
ボランティアと教師のかかわりはどうあるべきか。自分の学校に吹奏楽部指導でかかわっていただいている外部の方がいる。いわゆるプロである。部活顧問である自分は、その方のもってみえる力の把握、そしてその力はどんな場面で発揮してもらうのが一番いいか考えて、こちらで指導のプログラムを組んでいる。その方の理念まで知らないとうまく力を発揮していただく場面が分からない。
手塩にかけた子どもたちの部活指導にかかわってもらう以上、こちらにプロジューサーとしての力がないと子どもにとってもボランティアの方にも申し訳ない。
部活指導に際しては、指導者として割り込んでいる。プロの力を子どもたちに伝えるためにも必要。例えばボランティアの方が子どもに指導している。そのさいに「ちょっと待ってくださいよ。今言われたことって、どんなことなんですか。(わざとボケてみせる)ああ、そうですか。みんな分かったかい」というような介入の仕方。
「短歌、俳句」の指導にボランティアの方に加わってもらう。達人をどう生かしたらいいか。先生が指導する内容を変わりにしてもらうのではおかしい。例えば、なぜそれほど短歌や俳句が好きなのかを語ってもらうこと。これは先生にはできないこと。
やはりボランティアの方に来ていただくことが目的になってはいけない。
ボランティアの方へ授業の目標、目的を明確に伝えることが必要。その上で50分の授業の中でここで活躍していただきたいと語る。トータルで語る必要あり。
部活動指導の場面では「生徒は今このような力なんです。ここの力を伸ばしたいのです」と語っているう。「ここまで私が指導できます。ここからお願いします。」と言ったこともある。
ボランティアの方は、なぜこの場面で自分が生徒に語ることになったのかが分からないままという状態があるのではないか。
願わくは「ボランティアの方への評価」が必要。
往々にして「ボランティアの方の満足度」と「生徒の満足度」は比例しない。
教師にはありえない姿を見せるボランティア。これがいい。
電話のかけ方の授業のよさ。ボランティアの方が持ってみえるリアリティ。これがあるから授業が生きる。「電話1本で何千万円という商談がまとまる」という話は、ボランティアの方が語るからリアリティがある。
ボランティアの方にお願いするポイントの一つ。その方の持ってみえるリアリティを活用させてもらうこと。