H9.12.24〜25
記録1 12月24日 「ガウスを目指せ!大学入試を突破せよ!」
記録2 12月25日 「ペッグゲームを数学化しよう!」
☆ 参加者 7名(ニックネーム 桃陵セブン)
☆ 参考文献 ねこぱぱのページ( )
初項がa1=3であり、公差が1/3である等差数列{an}の、初項から第100項までの総和は( )である。
(95年日本大学・医学部)
この問題を解くことを最終目標にしてがんばろう。
何がなんだか分からないといった表情!
そこで、具体的に、数列を書き、この数字の列の、1番目から100番目までの合計を求めることと同じことを説明した。
3,10/3、11/3,4,13/3・・・・
ところで、この数列のように複雑でなくて、簡単な数列を考えてみよう。どんな数列を思いつくかな?
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
という返答。
では、この1,2,3、4、5、6、7,8,9、10を合計してみよう。これは初めの一歩だ。
考え方1 初めから順番にたす
考え方2 1+9、2+8というように10の組を4組、5と10をたす
考え方3 1+10、2+9というように11の組が5組
考え方2と考え方3とでは、どっちがすっきりしているかな?
考え方3の方。一度で計算できるから。
なるほど、そうだね。ところがこの考え方3は最後が10でなくて、11だとうまくいかないね。
このゆさぶりに対して、初めは1でなくて、0と考えれば、0+11、1+10・・・とうまくいくとアイデアが出た。
これを発案者の宮澤アイデアと名付けることにした。さらに次のような考え方が出された。
考え方4 ここでなかなかおもしろい考えが出てきた。どんな場合にも当てはまると自信満々。
最後の数を2で割って、0.5をたして、それを数がある分だけかける
例 (10/2+0.5)×10
う〜ん。どうやってこの式を思いついたの?
説明を求めたが、本人もどうも分からないらしい。とにかく合計から逆に考えていたら、思いついたということだった。 これを山守アイデアと名付けることにした。
ところがガウスという昔の数学少年は、もっと他の方法を考えたんだ。考え方3のように同じ組を作るという考え方はおなじなんだけど、他にどんなことが考えられるかな?
一生懸命考えているが、思いつかない。
1,2,3,・・・という数列の下に10、9,8・・・というように、10から始まり1で終わる数列を書いた。
これはガウスの考えを表したものです。これで思いつく人は?
11が10で110.2で割って55
そうそう、それがガウスが使った考え方だ。参加者全員に確認。
では、このガウスの考え方を使って、1,2,3,・・・、98、99、100までの数の和を求めてみよう。
(1+100)×100/2=5050
全員ができたことを確認。これだけでに日本大学の入試が解けるという声もあがる。
この段階で、日本大学の入試に照らし合わせて、問題を再構成。この場合は、初項が1で公差が1、初項から第100項までの総和が5050ということを確認。
1から10までが55、1から100までが5050、では、1から1000までは予想がつきますか?
500500
これもなぜそうなるか考えてみるとおもしろいんだけど、まず、ガウスの考え方を使って確認。ここでノートコンピュータを1台持ち込んで、表計算ソフトでも確認。
では、数列をちょっと複雑にしてみよう。2,4,6,8,・・・、100までの和はいくつ?
(2+100)×100=5100 と (2+100)×50=2050 の意見に分かれる。
コンピュータで確認。2050。「数が100個もないや」と気付く声。
ここで、ガウスの考え方をきちんとまとめておこう。分かったことで式を書くとどうなるの?
合計は、{(一番はじめの数)+(一番最後の数)}×(いくつ項があるか)/2
では、さっそく今日の最終目標を考えてみよう。
総和は、(3+36)×100/2=1950
全員が同じ答え。コンピュータで確認。全員が正解。
さて、さて、ここで、この日本大学の入試問題をもっと身の回りにあるような問題にしてみよう。
山守君の問題
ある本がありました。その本を10ページから読むとして、1日目5ページ、2日目10ページのように、1日5ページずつ増やして読んでいって、100日間で読み終わりました。この本のページ数は総合で何ページでしょう。
なかなかの問題ができた。全員で解いてみる。
10+(5+500)×100/2=25260
こんな1冊の本はあるわけがない。近くにあった広辞苑のページ数と幅を確認。2858ページで9cm。
となると、約9倍。それに最終日は1日500ページを読むことになり、現実離れしていることが判明。
問題を30日にすることに決定。
服部君の問題
クリスマス会で、500個のあめ玉が用意されていました。参加者がそれらをとっていきます。初めにとった数より、次の人は2個多くとることができます。参加者が20人のとき、この規則通り20人があめ玉をとるとすると、ちょうど500個なくなるには、初めの人は何個とればいいでしょう。
これも実におもしろい問題ができた。方程式を使うことになるが、1年生3名も立派にできた。
X個とるとすると
(X+38+X)×20/2=500 X=6
最後に、ねこぱぱさんに報告を兼ねて、ガウスの問題の答えと作った問題とメールで送って、1日目は実に楽しく終了。満足感、満足感。
●後日談●
ねこぱぱさんの「冬休みの課題」というページに「桃陵セブン」君からの挑戦状として、作った問題がインターネット上で流していただけました。
そして、静岡県のスーパー小学1年生のこうすけくんから解答が寄せられた。そこから、セブン君とこうすけくんの交流が始まっています。