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中学校数学1年
ストップモーション方式による授業記録「当たるのはどこ?」

授業者 玉置 崇:愛知教育大学附属名古屋中学校教諭 記録者 藤岡 信勝


授業者紹介
玉置 崇(たまおきたかし)氏
落語家 愛知教育大学附属名古屋中学校教諭(数学科担当)。愛知教育大学卒業。公立小学校、中学校を経て3年前より現職。36歳。パソコンの他、もう1つの趣味は落語で「愛狂亭三楽」の芸名をもつ。
自作エリア「当たるのはどこ?」のメイン画面
  1. 図のように、机をひっくり返しておいたような「コの字」形の建物がある。底部を地面に見立てるとすれば、両サイドに立っているのは壁である。壁の上部には2つの小窓がある。ここに数値が表示される。
画面写真
  1. [f・5]キーを押すと、左側の壁の一点から玉(タートル)が発射される。玉は地面に向かって動いていって、地面の上におかれている目標物にぶつかってハネ返る。この瞬間のようすを示したのが次の図である。(ただし、実際のコンピュータ上の画面では点線のような軌跡は表示されない)このとき、入射角と反射角は等しくなるようにしてある。
画面写真

画面写真
  1. ハネ返った玉は右側の壁の一点にぶつかって止まる。その瞬間に、右側の壁の上部にある小窓に数値が表示される。玉の当たった箇所の地面からの高さである。
画面写真
  1. 左側の壁から玉を発射する際の高さを変えることができる。その数値が左側の上部の小窓に表示される。初期設定は12.0となっているが、0.5刻みで上下に動かせる。例えば、[f・6]キーを1回押すと0.5増えて12.5に、[f・7]キーを1回押すと0.5に減って11.5に発射点の高さが変わるようになっている。 学習者は発射点の高さをいろいろに変えた上で玉を発射し、そのつど右側に衝突する玉の高さを知ることができる。
画面写真

画面写真
  1. ぼくカメただし、発射点の高さは無制限に変えることができるわけではない。10.0から20.0までの範囲でしか動けないように設計されている。
    この制約のために、この数値の範囲外の高さ(例えば、30とか1.5とかの高さ)から玉を発射したときの右壁の玉の高さはどうなるか、という問題を設定することができるわけである。
    コンピュータの上では実行できない入力数値を与えて、その場合、玉が右壁に「当たるのはどこ?」と訪ねる。これがこの授業の核になる問題状況を構成する。
  1. 学習者は上記制限範囲内で入手できるデータをいろいろな観点から吟味し推論して2つの小窓に表示される2つの量の間の一般的関係を見つけ出す。それを用いて問題を解く。学習者が出した答えを確かめるには、制限を解除した教師側のコンピュータ上で問題の数値を入力し実行してみせることができる。
  1. なお、地面上の目標物の位置は地面の長さを左側から3:2に内分する点に固定されている。したがって右側の衝突点の高さは発射点の高さに比例し、比例定数は2/3である。次の段階(次時の授業)では、この目標物の位置を変化させることによる「得点ゲーム」が用意されている。

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