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平成11年3月28日

演目 らくだ、雛鍔


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<パンフレットより>

 小牧落語を聴く会では、これまでなるべく根多が重ならぬよう企画してきた。これまでの演題を眺めてみると、さながら落語大全集のようだが、意外にまだ演じられていないポピュラーな根多がある。「らくだ」もその一つ。落語ファンなら誰もがよく知っている、じっくり聴きたい根多だが、通常の寄席では演じにくいものなので、時間の制約のない独演会や地域寄席にうってつけの大根多だ。

 平成10年芸術祭賞・演芸部門の新人賞は橘家圓太郎の「圓太郎独演会」が受賞した。平成10年10月12日、池袋の東京芸術劇場での口演が高く評価されたのである。その時の演題が「化物使い」と「らくだ」であった。

 聴きたい根多に、聴きたい演者。迫力有る「骨太な(本人談)」圓太郎師の「らくだ」をごゆっくりお楽しみください。

古典落語に”その子”は無用  <からむニストより>

 「第38回小牧落語を聴く会/橘家円太郎独演会」を、小牧商工会議所会館で見た。

 春風亭小朝の弟子で、前名はあさり。平成9年に八代目円太郎を襲名して真打ちとなった。声量と貫禄の36歳である。一席目の「雛鍔」は、からむ子は、先代金馬の口調が耳に残っている。

 「青菜」などと同様、上流家庭をまねてしくじるというパターンの噺で、ぬけ目のない小倅が、いつの間にか背後に立っているのにびっくりした父親が「トカゲみたいな野郎だな」というのが効いた。

 二席目の大ネタの「らくだ」。三笑亭可楽のタイトにまとめた高座と笑福亭松鶴の1時間ちょっとかけた上方決定版が思い出される。

 円太郎も全体としていい出来で、とりわけオチの工夫を買う。ただし乱暴者のらくだが死んだと聞いた長屋の人の「念のため頭をぐちゃぐちゃにつぶしといた方が・・・」は、志ん朝の「頭をよくつぶしといた方が・・・」「ムカデだね」という軽さを見習うべし。鈴木その子を入れたりする”アナクロくすぐり”も、芸風に合わないと思うよ。(古典派)

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