2001/1/26

中点連結定理の発見

−2年4組補欠授業で −

●上写真は教室前の暗幕をしめてプロジェクタを黒板に写した状態
●中写真は生徒のノート
●下写真は黒板に写っているプロジェクタによる図形を
白チョークでなぞり、補助線等を入れた様子
(図形が大変鮮明に見える)
  1. 2年4組に初めて授業に入る。頼まれた内容は「中点連結定理」。ノートコンピュータにインターネットからGCのデータ(中点連結定理)をダウンロードし、それとプロジェクタを持参して教室へ。

  2. 教室中央列前から2番目あたりに机を1個おき、その上にプロジェクタ設置。教卓の上にコンピュータをおき、スクリーンは例によって黒板。

  3. GCの背景は白、線の太さは2と指定し、教室前の暗幕を閉めて授業開始。

  4. 見たまま、感じたまま言えばよいということを言っておいて、次の画面を黒板に提示(映写)

  5. 初めての学級なので、左列から矢継ぎ早に質問。『二等辺三角形があるかなあ」「そうそう、それでいい。気づくことを言えばいいよ。その調子。その後ろの人」と指名していくと、次のような順に考えが出された。

  6. 「三角形と台形がある」(台形という表現には本当は突っ込みたかったが我慢して)「三角形が二つある」「DEとBCが平行にみえる」

  7. 他にないといった表情が続くため、三角形ABCを変形してみることにする。GCで三角形をいろいろな形に変える。

  8. さらに感じたことを聞くと「DEとBCは平行」「△ADEと△ABCは相似」「角Bを90度にすると角Dも90度」といった変形したために見えてきた性質が出された。

  9. そこで、黒板に書いたことを見直し、「二等辺三角形」「角Bが90度〜」ということは特別な場合にいえることで、いつも言えることではないこと。他はいつでも言えそうだということをまとめた。ところがもう一つの大切な事項、DEとBCの関係が出てこない。「DEについて注目してください。他に何か気づかないかな」と発問をした。

  10. すると「DEの長さが変わらない」という意見が出てきた。背景を方眼にして、そのあたりが分かりやすいように援助する。

  11. BCとの関係も出るかと待っていたが出ないため、BCの長さを注目させ、DEの2倍であることに気づかせようとした。生徒はどうも他辺との関係を見るといった視点はなかなか持ち合わせていないようだ。変わる、変わらないはよく分かるが、他の辺との長さの関係まで気づかせるのは難しいのかもしれない。方眼を数えることで、BCの長さの半分がDEになることを画面で確認した。

  12. 発見されたことがいつも言えることなのかを論理的に明らかにする必要がある。しかしすぐにそこに進まないで、先にこれらのことが正しいとなると、どんなことが言えるのかを数値で問い掛け、発見された事柄の確認を再度行った。つまり、DEが5cmならBCは何cm、BCが16cmならDEは何cm、角Bが80度なら角Dは何度などといった質問を矢継ぎ早にするのである。これで文字だけで表現された事柄が、なんだそういうことか、と分かる生徒がいるのである。

  13. 証明については教科書に掲載されている方法をじっくり説明をした。実際に生徒に考えさせてもなかなか出てこない証明である。説明を聞き、きちんと理解させればよいと考えた。

  14. 証明が理解できたかどうかは、その証明をなぞり直すことで確認している。「まずどうしたの」「そうだね。DEの延長上に点EからDEと同じ長さのところに点Fをとったね。それから」といった具合に、意図的指名により再度確認しながら授業を進める。

  15. 今度は教科書の証明を確認し、それをノートに写し取る作業をいれて授業を終えた。

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