2000/11/24

方程式

−方程式を使いこなそう(その1)−

  1. 前時ではいろいろな考え方で問題解決させ比較することで、方程式利用のよさを確認した。したがって本時は方程式を利用して問題解決することに限定し、その利用法を理解し実際に使うことができるようにしたいと考えた。
  2. 最初の問題は方程式の基本題として提示し各自で考えさせた。立式ができない子どもには時間をどれだけ与えてもできないため、子どもたちの様子を見て、まず立式ができている子ども(ただし1箇所誤っている式を立てている。右辺がx+80×5)を意図的に指名した。
  3. 「この式はどうだろうか」と問いかけ、題意に合わないことに気づかせることにした。80だけに5をかけたのでは題意に合わないことを確認し、板書のような式を導き出した。
  4. なぜこのような式が立つのかを再度考えさせた。説明できる人は?と問いかけ、題意と式の関係を説明させた。手を挙げることができなかった子どもを意図的に指名し、自分の言葉で説明できるまで繰り返し指名した。
  5. この段階では子どもたちの間を回りながら、それぞれのノートの記録なども参考にして意図的に指名している。立式できることが授業の主目的であるからである。問いかけられているものを文字で定義し、立式することを強調した。
  6. 解が出たところで「ケーキの値段は話にあうかい?」という問いかけている。これは方程式の解が題意に合うかどうかを確認させたいためである。時々、方程式の解がでたら吟味もせず、平気で「ケーキ1個25円」といったことを書いている生徒もいる。「話があうかい?」という問いかけは解の吟味の大切さを強調するための言葉である。ただし、この段階で形式的に「問題にあっている」という記述はさせていない。本時の最後で触れたいと考えた。
  7. 類題を解くことで理解の程度の確認をした。(板書の2つ目:1冊120円のノート〜)
  8. 次に「何人かの子どもがいます。この子どもたちに鉛筆を5本ずつ配ると12本余り、7本ずつ配ると4本たりません。子どもの人数をもとめましょう」という問題を考えさせた。この段階で未知数の定義はほとんどの子どもができるようになった。立式だけである。「余る、たりません」という題意を式ではどう表現するかを、立式できた生徒を指名し説明させた。その後、よく分からなかったという生徒に説明をさせるという指導を繰り返した。一人の子どもを指名して終わるのではなく、子どもの机の間を回りながら、だれに指名しても立式の説明ができるように心がけた。
  9. 全員が分かったという挙手を確かめ、類題を出した。板書の3つ目左。
  10. 次にさらに類題。板書の3つ目右。各自で取り組ませると未知数の定義は全員クリアしていた。立式では題意の逆、つまり「余り、不足」の解釈が違い、解が−38となって困っている生徒が10人ほど出現。
  11. できたという生徒を指名し、立式を発表させる。解がマイナスとなった生徒に立式を発表させ、その違いを明らかにした。「へえ、こっちのほうが正しいのじゃないか。さっきの問題では余るときは+だったよ」とゆさぶりをかける。それに対して「この問題は集めたい会費の話だから、余るということは多すぎることだから式では引くことになる」と説明。説明のうまさをほめながら、全員が理解できたかどうか確認。
  12. 再度、本当に「話が合うのか」と問いかけ、「解が−になって?と思ったことはいいことだ。解を確かめることが大切である」と話して終了。1時間に5問に取り組む。

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