2002/1/13

附中第49回卒業生対象 特別授業
舞台は主役を待っている

授業のワンシーンを伝えます  生・・・生徒の発言
  1. 今年成人式を迎える附属中の卒業生が、「恩師の授業を再び受ける」という企画をもった。聞くところによると、リクエスト形式で、光栄なことに、私がその一人に選ばれたとのこと。この49回生とは卒業までつきあうことはできずに転勤をしたし、彼らが2年生の時は、他学年の担当であった。それでも、今回こうした企画に呼んでもらうことになって、本当にうれしかった。子どもたちから再び元気をもらった。うれしい、うれしい授業をさせてもらった。

  2. 授業と言っても、まさか数学の授業は・・・と思い、附中を去るときに子どもたちに話した「舞台は主役を待っている」というタイトルの授業を行った。

  3. 以下に、おおざっぱに話の骨子を載せる。

    「舞台は主役を待っている」 

    相変わらずの生活をしているよ。落語もやっているよ。小咄「つるのおんがえし」

    自分が二十歳のときに、母親を困らせた思い出。せっかく母親が作ってくれた着物を成人式で着なかった。今にして、本当に申し訳ないことをしたと思っている。悔やんでいる。

    教員5年目くらいに、生徒と対立したときがあった。学校の塀に「タマオキ死ね」と書かれたときもあった。母親は「あなたはもうやめたらどう?」とも言った。

    でも、教師はいい。この職業が好きだ。最近はこのことを平気で言えるようになった。それは、附属で教師のよさを君たちから教えてもらったことも理由にある。

    ***

    いつも「ありたい自分、なりたい自分」を描いて追い求めていたい。最近好きな言葉は「あこがれにあこがれる」という斎藤孝さんの言葉。

    自分の得意技を磨く、生かすこと。自分は落語を活かすしかないと思った。他の先生のように若い頃、運動ができたり、音楽ができたわけではない。落語しかないと思った。

    子どもに落語を教えていた。それが広がって、テレビが取り上げられた。自信ができた。自分しかできないことがあった。

    <視聴> 1982年 東海テレビ「落語先生奮戦記」の一部。

    地道に努力すれば、周囲が認めてくれる。 

    念ずれば通ずるものだ。

    教育ソフトの開発もできた。君たちと一緒にやったコンピュータの授業が元だ。おもしろいことやいいことは世間が認めてくれる。これからはいろいろな人と手を組んでやる時代。

    そして、自分は「迷ったらやってみる」ことにしている。運命の女神に後ろ髪はないと言うよ。

    やってみて、分かることがある。学ぶことがいっぱいできてくる。やってみればいい。

    今は学校をよりよくしたい。みんなで頑張っている。その成果がテレビで取り上げられた。

    <視聴> 2001年 NHK教育テレビ「こんな学校に行きたい」の一部

    ***

    これからは、ネットワークの時代でもある。距離と時間は0。やろうと思えば、何でもやれる時代。年齢は関係ない。

    市民提言ができる組織に入って、町づくりに関わろうとしている。

    NPOにも、若い世代が多い。小牧エコプランにも、若い世代がいる。

    今、自分は45歳。なんだ、今日の話は先生の話ばっかりと、しゃくに障った人へ。ぜひ、45歳のときに、今の話よりでかい、でかい話ができる人になってほしい。それが僕がうれしい。

    舞台は主役を待っている。何でもできるぞ、念ずれば通ずる。


    ★ 最後の号令のときに、実にうれしい感想をもらった。うれしくて、うれしくてしかたがなかった。教師をやっていて良かったと思った。心の涙が流れた。授業を引き受けて良かった。

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