議事録

■日時:2004年1月16日(金)19:00〜
■ 参加者:大森先生、植松先生、松浦先生、鈴木先生、梶田先生、酒井先生、大西氏、大谷氏、富田(記)
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<若林東小学校 和田先生の授業検討会>
○実践単元:小学校6年 算数「変わり方を調べる」
○検討会の進め方について
・最初に授業のビデオを全員で視聴。
 →画面の左下に出ている時間表示にあわせて、気づいたことなどをあらかじめ準備されたメモ用紙にメモしていく。
 (例)「21分−和田先生の発言〜は素晴らしい」など
・ビデオ視聴後、授業時間ごとの和田先生や児童の動きで気がついたことなどを、意見交換していく。

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【授業ダイジェスト】
*以下、和→和田先生の発言、生→児童の発言。
【導入】
○前時の復習から本時の課題提起へ(0分〜5分)
(昨日勉強したことを復習するために、ノートを読む時間を少し与える)
和:昨日は、変わり方の規則について勉強しました。どんなことが分かりましたか?
生:一人目の70円と50円の費用の違いがもとになって、最初の費用の差が20円だから、だんだん20円ずつ増えていく。
和:20円ずつ増えていく。増えていく印(→)をつけてもらおうかな?
生:ここからここまで、20円増えていく。
(黒板に貼ってある表に、児童に「→」を書き込ませ、「増えていく」ということを視覚化)

生:一人のときに70円と50円で、その差が20円で、二人になると70円が倍になって140円になって、50円が100円になって、その差が40円で、だんだん20円ずつ増えていっていて、それが合計の値になっている。
和:だんだん何ていった?
生:だんだん増えている。
和:だんだん何て?
生:だんだん差が増えていく。
和:いくら?
生:20円ずつ。
和:どんな「→」だった?
*児童にもう一度「→」を書かせ、増えていくことを視覚化し、確認
*前時で学習した「変わり方」をいろんな児童に発言、復唱させながら、「だんだん増えていく」ということがどういうことであるかを、視覚化しながら、確認
50円
70円

和:700円にむかって、20円ずつあがっていく。
和:何回であがっていく?
生:700割る20で、求めたい人数がわかる。
生:全部を表でやると長いから、3つで、700割る20をして、求めたい人数がわかる
和:式を書けば、ずっと表を書かなくてもできるよ。3つでできたね。4年生のときは、全部書かないといけなかったね。今日も3つで、できるだろうか?今日の規則は何かを考えてみよう。
*復習を通し、式を用いることの有用性を確認。今日の授業へつなげた。

【課題把握】
○本時の課題発表(5分〜8分)※検討会で取り上げた
和:今日は、どんな規則かな?問題を全員で読んでみて。
生:始めノートを120円で売っていたけれども、途中で安売りをして100円にして、全部を売りました。全部で50冊売れて、売上高は5300円でした。
和:何を求めなさいといっていると思う?
生:120円と100円のノートが何冊ずつ売れていったか?(他二人同じ内容を言い替えて発言)
和:5300円って何?
生:売れた値段。
和:売上高だね。120円と100円のノートがそれぞれ何冊売れたか分からないよね。
* 売れた値段は分かっているが、それぞれ何冊売れたか分からない。何冊売れたかを求めるのが本時の課題であることを確認させる。

○表を作る(8分〜16分)※検討会で取り上げた
和:(空欄の表を出しながら)表に何をいれたら、良いですか?
生:5300円の売り上げ。
生:1冊120円と1冊100円のやつ。
和:値段を入れるの?冊数をいれるの?
生:値段。
和:他には?
生:1冊ずつ売れたときの売り上げた値段が、だんだん変わっていくから、その値段
* この児童の意見から、だんだん値段が変わっていくことを確認
和:(表に項目をいれながら)売上高は絶対にいるんだよね。あとは、冊数?冊数っていったら何を残す?値段?
生:値段
和:値段を残す?求めるの何だったけ?
生:別にどっちでもいい。
*この発言を大きくとりあげ、何度も「別にどっちでもいいっていったよね?」と確認し、上段に120円のノートの値段と冊数を記入、下の段に100円のノートの値段と冊数を記入。
和:最後は、何だった?一番下は?
生: 売り上げ高。

(表に項目をいれて、表を整える作業)

和:数字はいくつからスタートする?
生:1冊から。
和:1冊じゃいかんの?
生:50冊売れたとあるから、50から始める。
和:50から始めようね。もう、先生書いちゃった。
(120円のノートを50冊購入した時の売上高から、順次、記入していき、120円のノートが49冊で、100円のノートが1冊のときの売上高というように順次、売上高の推移を表に埋めていく作業を始める。)

*始めに発言した児童の通り、1冊から始めると、説明が難しくなるので、意図的に50冊で始めるとの判断と決意がここにある(検討会より)。

○変化の規則をみつける(16分〜22分)
和:(120円のノートが49冊で、100円のノートが1冊だったときの合計額が5980円ということをすぐに分かった児童の発言をうけて)
どうして、5980円ってすぐに分かった?どうして?
生:120円と100円の差が20円だから、120円のノートが1冊増えて、100円のノートが増えると、売上高が20円ずつ減っていくから。(他3人の児童が、同じような内容を言い替えて、発言)
和:(20円ずつ減っていくと合計額が5300円までになるという発言を受けて)
20円ずつ減っていって、目標の5300円まで。目標の5300円ってどこに書けばいい?
生:売上高のところ。
和:適当に一番最後のとこに書いておこうか。この5300円が何?目標だよね。自分でやってみて。

【個別追究】
○100円と120円の冊数をそれぞれ求める(22分~25分)
・ 先生が机間指導しながら、子どもたちの様子をみる。ほとんどの児童が、つまずいているのを確認し、集団追究へ戻る。

【集団追究】
○つまずいた原因を明らかに(25分〜30分)※検討会で取り上げた
和:みんな困っているけど、何が困っている?
生:昨日やったのでは、20円ずつ増えているのが、規則で、今日は、20円ずつ減っていくのが規則かと思って、合計額で割ったら変な答えになった。
和:規則は見つかった、みんな?
生:規則は見つかったけど、どうしていいか分からない。
和:20円ずつ減っていって、最後はいくら?
生:6000円から5300円に減っていっている。
和:いくら落ちた?
生:700円。一番最初の元になる120円のノートの冊数の合計金額6000円から目標の5300円を引く。(他の児童にも復唱させる)


和:(変な答えになったという子の発言をひろい)変になったとき、いくつになった?
生:5300円割る20円で、265冊になった。で、合計で50冊しか売れてないのに、おかしい
和:合計で50冊しか売れてないのに、おかしいよね。(間違えに気づいたことをほめる)
* 売れた冊数の合計が、50冊であるということを思い出させる。

○ それぞれ何冊売れたかを明かに(30分〜39分)
和:それじゃあ、いくつになった?
生:6000円から5300円を引いて、700円で、700割る20をすると35になって。50から35を引くと、15になる。でも、どうして、こうなるのか良く分からない。
和:よく分かるように説明してあげて。
生:6000円から5300円になるまでは、700円の差があって、その間を20円ずつだんだん減っていっている訳だから、700割る20をすれば、100円のノートが一冊増えたら、20円減ったんだから、700割る20で、それが、35回分あることがわかった。
和:(子どもの「数が減る」というのを手で表した動作をとりあげて)黒板に、「→」でどう減ったか書いてみて。
和:(子どもの書いた「→」をさしながら)この減っていくのが、35回あるんだよね
* 減っていくということを視覚化し、20円ずつ減ることが35回あるということを全員で確認。10回のとき、20回のときの合計額を確認する
5300円になったとき、120円のノートは何冊?
生:15冊
和:100円のノートは?
生:35冊
和:決まりはどこにあった?
生:決まりは、120円のノートが50冊あって、それが49冊になったときに、5980円になって、その差が、20円で、20円ずつ減っていく。昨日のやつは、20円ずつ増えていって最後に700になった。
和:だから、35回でやっと目標についたということが分かった

○100円と120円の表の場所を入れ替えてみる(39分〜45分)
和:100円と120円の冊数の場所が、反対でもできるよっていったよね?
和:120円のノートが0冊で、100円のノートが50冊のとき、売上高は、5000円だよね。
生:今度は、どんどん増えていくんだよね。
和:どんどん増えていくってどういうこと?
生:さっきは、20円ずつ減っていたのが、20円ずつ増えていく(他二人の児童が同内容を言い替え発言)

--------------ここから、延長授業(7分ほど)---------------
和:目標は?
生:5300円
生:上は、700円だったけど、今回は差が300円だから、上より近い
和:300をどうするの?
生:300割る20。15。
和:だから、120円のノートは?
生:15冊。
和:同じ答えになったよね。どういうこと?
生:下の方が近いだけだけど、元になる数が違うから、上のは減っていったけど、下のは、増えていっただけで、答えは同じ。

○次回の授業の課題の発表
和:結局、同じだったよね。明日は、どこから始めると答えを早く求められるのかみんなに考えてもらいます。今日、分かったことをノートに書いてください。
*分かったことを書き込む児童。和田先生は机間指導しながら、いい意見にはペンでチェックをつけ、悩んでいる児童にはアドバイスをしている。

和:それでは、もう時間がないけど、何が分かったのか発表してください。
生:700円というのが分からなくて解けなかった
和:どうして分からなかったか書いておくといいよ
生:今日は、何回かっていうので分かった
和:何回かっていうので、今日は分かったんだよね。 今日、分かったことを書いておいて、ください。後で、集めます。

*これで授業は終了
========================================検討会
○時間ごとに「心が動いたこと」を挙手。
1:2人、2:2人、3:8人、4:6人、5:6人、6:3人、7:13人、8:3人、9:7人、10:4人、11:1人、12:5人、13:1人、14:12人、15:4人 16:2人、17:12人、18:3人、19:7人、20:4人、21:0人、22:7人 23:7人、24:2人、25:2人、26:9人、27:6人、28:4人、29:10人
30:8人、31:2人、32:5人、33:8人、34:4人、35:6人、
36:4人、37:3人、38:6人、39:9人、40:5人、41:7人、
42:1人、43:1人、44:5人、45:7人、46:1人、47:1人、
48:4人、49:0人、50:1人
========================================
*挙手の結果を受けて、下記の時間を検討会で取り上げることに決定。
・6分、13分〜16分、28分

<6分について>
*前時の授業の復習を終え、本時の課題を発表した場面。
○発問について
・何を求めているのか児童に確認させたのは面白かった。「何を求めるかな?」と聞くのは、教師の持つ基礎基本のテクニックの一つである。手をあげる人数が少なかったのは、気になったが。
・復習の時に、規則についての言葉を引っ張り出し、課題を投げかけたのはよかった。
・「今日も3つで勝負できるかな?」のあたりがよかった

○授業準備・仕掛けについて
・児童が前時に学んだ部分を書き込ませたノートを教師が読み込み、赤線を引いている。こうして、教師が赤線を引いたポイントとなる言葉が児童からの発言として出やすいように準備、仕掛けておくのが、児童から活発な発言を促す授業のポイントとなっている。細かい仕掛けをしている。

○学級運営について
・ 何を求めなさいというのが分かっていたら、みんな問題なく解けると思うのだが、みんな分かっているのか?
・ 分かってなかった。ただ、「なんだろう?」と考えることが大事であって、その答えに何が出てきても良いのかなという感じがした。ただ、このクラスは、児童の役割分担が、既にできていて、児童も自分の役割を認識していて、教師側が意図的指名を行い、授業運営を行っている。
・ スーパースターが2名いて、逆の意味のスーパースターがいて、全体で個別授業を行っている。
・ 意図的指名のオンパレード。手が挙がっている子には指名しない。子どもが分かっているというときは、動作で表現。「うなずく」という動作が、あてても大丈夫だよという教師への意思表示として効果的なことがわかる。子どもが暗黙の和田先生のルールにのっとていて、秩序正しく授業を進められている。
・ 4月にきちんと子どもに仕込みがされている。

========================================<13分〜16分について>
*表への項目を入れ終わり、どの数字からスタートするかを決め、売り上げ金額が20円ずつ減っていく規則に気づく場面

○50冊から始めたことについて
・ 授業開始から、13分30秒のところ(表の中で、120円のノートが何冊の時から始めるか教師が発問した場面)で、「1冊」という発言があったが、後からの「50冊」の発言をとる。「0」を引き出すか、「50」を引き出すかが、今回のポイントで、授業の骨格となる大きなところだった。
・ 子どもの言葉のどれを拾うか、拾わないかを教師が鋭く決定している。
・ 子どもにとって「0」を考えるのは難しいが、発言として自然に出た「1」からやると苦しい授業になる。
・ 「0」が出てくるまで待つという方法もあるが、子どもから出た「50」で始めることを今回は選択した。意図的に、子どもの意見をすぱっと切ったのは、すごい所だ。拾ってはいけない子どもの意見を拾わないということが出来ている。
・ 課題の与え方次第で、「1冊」というのが出てくると思う。僕ならば、「昨日の課題と何が違うのかな?」と聞く。
・ 「本当は、120円でいくら売りたかったのかな?」と聞くと、「50冊」と結構すぐに出てきたのかもしれない。
・ 表に関係させたかった。値の持つ属性に左右されてしまうと、どこからスタートさせるか悩む。どちらのやり方からやっても良いというのを押さえたかったのが分かる。次の時間に何をやるかというのにつなげたかった。

○変化の規則について
・ 変化の規則は理解していたが、規則を使って何をして良いのか分からなかった。20ずつ減るということを、どう使うのか分かってない子が多かった。目標が出て、20が分かったから、差を埋めればいいと子どもが理解していると思っていたが、分かっていなかった。
・ 子どもがもっと分かっていると思っているようであったが、20というのが何かもう一度一歩ずつ確かめる必要があった。
・「→」が階段的に描かれていたのを利用して、「6000円から5300円」になったことをうまくイメージ化するとよかった。
・みんなが分かってないから、3分で個別追究をやめるあきらめの良さは、よかった。
・ 1冊増えたら、20円損したという元の数の持っている属性を、表にした時に捨てた。問題の意味を読むという授業より、表の規則を読むという授業になっていた。
・ 表の規則を見つけさせるなら、下位の児童のためには、もっと表の空欄をうめておかなければならなかった。
・20円ずつ減るというのはたくさん繰り返したので、子どもも分かっていたが、何の変化によって20円ずつ減っていたのか分からないでいた。
・ 前回の授業との違いを意識させて、「0」にいかない「5300」にたどりつくという点を明らかにしておくとよかった
・「課題」を小出しにしなかったのが、個別追究で分からなくなった児童が多くいたことの原因。
・ 100円のノートを50冊から始めた方が答えまで、「近い」という発言を、次回の授業のねらいにつなげていたのはすごい点だ。
・ 小学校では、表を見通しもって作れるかというのもねらいの一つ。表の良さを含めて、ものの見方や考え方を身に付ける。変わるものは何かというのを、表の中で見つけさせて、表をきちんと作れるのも大切。表から規則性を見つけるというのも狙いの一つ。
・ 事象と表を結びつけるのがポイントな単元でもある。
・ 「20ずつ減る」というのと「20ずつ上がる」というのを、子どもたちの中で理解していたり、していなかったりする。
・ 上位の分かっている子が説明して、下位の子を引っ張っているという授業のように見受けられた。
・ 表の中の項目がすぐに出せるのがすごいと思った。項目を出させるのが、単元の目的ではないかと私は思う。

○授業で使われる言葉について
・ 「決まり」「規則を見つける」「元にする」という言葉が出てきたか、ごっちゃに利用されていた。「20を元にして」、「50を元にして」という「元」という言葉で、混乱しないのか。
・ どちらの数を基準とするとか言いかえるよりも、子どもが理解している言葉を利用していた。小学生の中で、ピンとする言葉を利用している。
・ 変わり方というところで、「元にする」という言葉は今回のキーワードであるから、そのキーワードがあいまいであるのは問題ではないか。
・ 「差」を元と使っているのと子どもが「決まり」を元としていて、それが違う。前時の授業の復習のときに、「元」が違うというのを理解させるとよかった。
・ 割合のときに、「元にする量」という言葉を使う。その「元」の意味と違うというのは、修正のタイミングは、早い方が良いと思う。
・ どこまで教師が教えて、児童にどこまで言わせるか?決めるのが難しい。今回は、教師側が50から始めるとか1から始めるとか決めてしまうのはありだと思う。何を子どもたちに考えさせるのかというのは、教師の判断。
・ 課題を小出しにして、順番に表を埋めていけば、子どもだけで解くことはできた。
・ 授業でキーワードとなる言葉については、定義や意識は同じにしておく必要があるのではないだろうか。

○算数と数学の言葉
・ 算数の悪いところ・・・「足す」とか「割る」というか一般的な言葉を利用すると、数学になったときの抽象化が難しい。
・ 一般語と抽象語の切り替えをどうするか、どこで切り離すのか?算数から数学へ移るのは難しいのではないだろうか。

========================================<28分>
*6000円から5300円にだんだん減っていき、700円落ちたということをみんなで確認する場面

○子どもから子どもに説明する言葉について
・ヒントを子どもに言わせているが、その方が子どもには、分かりやすい。
・ 復唱がいきる。子どもには子どもの言葉があり、子どもの頭の中にイメージがある。
・ 山の上からみて、登り方を説明するから悪いのであって、一緒に登ってきた人間は、自分の登ってきた道をいうから分かりやすい。悩んできた事を話すから、たどたどしいけど、筋道が分かるから、分かりやすい。大人は上からみて、右とか左とかいうから、大人の言葉は、非常に端的でも子どもに分かりにくくなっているのかもしれない。
・ 子どもの言っているすごい言葉をどういう風に、洗練された言葉にかえていくのか?
・ 間違った言葉については、随時直させ、黒板で書いた教師の言葉を利用させて、覚えさせていく。

○算数と数学の言葉 Part2
・ 算数の言葉を使っていて、数学にきちんと移れるのか分からない。数学は、きちっとした言葉を使う。数学と算数の溝はあると思うが、どうしたら良いか?
・ 話し方で訓練するというのはある。「だから」「〜になります」「〜になる」とか考えをシャープにするための言葉を使わせることで、考えを明確にする。
・ 式を書く段階で、子どもたち一人ひとりがどうきちんと考えてきたのか振り返りが可能。
・ 今回の授業は、言葉でずっと授業を進めて、イメージを大切にしている。式のイメージを大切にしている。
・ 具象物の属性を消していって、抽象化させるのが数学。その数学の世界にうまく入っていけるのかどうか。数学で単位を消していくという抽象化していくバランスをどうするかは、考えないといけない問題だと思う。
・ 式が何を語っているのか、文章の論理を見つけるのと同じ作業。式と式の間をつむぐ
・ 小学校は、概念形成。中学校になれば、関係性の把握になるかもしれないけど、小学校のときは、概念を作るのが大切。だから、いろんな、子どもの腑に落ちる言葉を使っているのだと思う。
・ 言葉でいう概念(小学校でやること)は、数学の世界では絶対に不可能。だから、数学の言葉が出来た。一般の言葉に頼ると、高校数学での虚数が存在しないということになってしまう。しかし、虚数は存在する。イマジナリーな世界に存在するものを扱うと分からなくなる。
・ 学校の算数と中学校の数学って、発達段階を意識してやらないといけないと思う。

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<参加者からの感想>
・ 難しい話から難しい話までありましたが、自分の授業に取りいれられるようになるまで、がんばりたい。
・ 6年生の授業をちょうど僕もやっていて、自分の授業と比較してみて、図を書いて式におこすところで、表で「1」から始めてしまったことに僕自身は、はまっていたので、参考になった。
・ 6年生の担任をしていて、子どもに分かりやすくするために、具体化していっていて、抽象化できていない。中学校に入ったときには、抽象化していない。算数が嫌いな子にとって、目標とかいう言葉は、使えるなと思った。
・ 教師になって長いが、なかなか児童の発言が引き出せなかったりしている。素晴らしい授業でした。6000円から5300円の差について、子どもに気づかせて、導き出すのは難しいなあと思いました。
・ 最初に前時の授業の復習をし、意図的に指名し、子どもが分かってないときの切り替えは、毎回同じだけれども、毎回同じにできるのはすごいなと思った。感想の書き方を指導しているのはよかった。

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