勝田知久氏による議事録

■日時:2002年2月12日(火)19:30〜

■場所:エドウェル会議室

■参加者:玉置、柴山、鈴木、松浦、太田、畑中、酒井、梶田、渡辺、大西、勝田(記)

<授業力UPセミナーについて>
・5月25日志水先生、7月13日野口先生、9月14日佐伯先生が決定済み。

・年間8回で会費は一人年間6,000円。予定参加人数は150人程度を見込んでいる。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<原稿検討について>
・今回は、全員で内容をチェック。
・前回、指摘を受けて修正してきた分については、会では議論しない。初めて提出される事例のみ取り上げる。

<柴山先生@>
・一番最後の<手法のよさ>は、手法のよさだろうか?配慮事項に思えるが…。
→表現の問題とも思える。「〜できる」という表現で、その手法の良さをアピールさせることで、OK。
・実際に子どもたちがちょこっと書いている教科書など、実物があるとなおわかりやすくなる。
・「机間巡視」という表現は×。「机間指導」にする。
・「どうして教科書に書かせるのか?」の説明はほしい。
・タイトルにある「ちょこっと」というフレーズを生かしたい。たとえば、一番最初は、長い説明文を入れないで、シンプルにまとめた方がタイトルが活きるのでは。
・タイトルで使用しているキーワード的な言葉(たとえば「ちょこっと」とか)については、例示の場面などで使ってほしい。
→今回の話を受け、再度柴山先生の方で修正

<柴山先生A>
・この手法は、音読能力の評価?音読したことの評価?観点を与え、その観点に基づいて読むことができるかが大切なのか?それとも、子ども同士で読みあうことが大切なのか?どこにポイントを置いているのかが、わかりにくい。
・「評価の観点を事前に与えること」がポイントになるのであれば、音読以外の場面でも活用できる手法だと思う。
・この手法によって、どんな効果があるのかが明確ではないような…。例えば、音読ならではのポイントは何か?人前で発表させる活動でも一緒ではないか?
・クラスで約束事を決め、音読のポイントを共有化し、そのポイントをもとに学習を継続することがポイントだと思えるが…。
・積み重ねて、日常化をするという継続性が、この手法のポイントなので、そこを明確に書いてほしい。
・継続的評価のよさや、続けることによって、評価力があがるという表現が大切。
・通常の国語の授業と「違って」、音読時に必ず評価の場面を作ることがポイント。普通の国語の授業との「違い」も明らかにしたほうがいい。その上で、どうすればできるのか?何に気をつけるのか?といったポイントを出せば、読者も理解がスムーズになる。
・初めて読む人にもわかるようにポイントを明確に。
・「子どもの音読の能力」の「能力」という言葉は表現としてどうか?「力」ぐらいがいいのではないか?
→今回の話を受け、再度柴山先生の方で修正

<柴山先生B>
・場面設定がポイントなのか?それとも、評価の手法がポイントなのか?
→場面設定がポイントの手法。
・どのクラスでもできる内容の手法?先生自身が意識しているポイントは?
→この事例については、音楽に意欲的な子、できる子から取り組ませていくことがポイント。できる子の動きを見ることで、他の子にも意欲、動きが出てくる。
・そうした先生なりの実現のための配慮を書いてほしい。あとは、関心、意欲のない子がいた場合は、どう対応するのか?といった情報も欲しい。
・この手法の「売り」や取り組むにあたっての「細かな配慮」や「コツ」が知りたい。先生なりの言葉で書いてほしい。
・年に数回させる発表と違い、授業の中で毎回5分程度ミニコンサートをすることで、どんな効果があったのかも、書いてほしい。
・普通は〜だけど、この事例では、〜だ、という点がクローズアップされるようにしたい。
・先生にとって「当たり前のこと」は読者にとってはわからないこと。何もわからない人間がこの手法を読んで、理解できるように書いてほしい。
→今回の話を受け、再度柴山先生の方で修正

<柴山先生C>
・「継続性が大切」だというポイントをもうすこしはっきりと書いてほしい。
・この手法をやるにはスピーディに進めるノウハウを書いたほうがいいのでは?5分で実施するのがポイントだと思う。こんなスリムな取り組みで、こんなことが実現する、という観点で書いてほしい。
・どうやって、評価をするのか?どうやって評価の場面を作るのか?も書いてほしい。
・モデルの人が必ず絵の感想を言うというやり方は、とても魅力的だと思う。ただし、手法として書いてほしい。そのためには、何を意識して、どんなことをしているのかがわからない。
・人物を描かせるポイントは?
→物品と違って、人が変わること、ポーズを変えることで、簡単にモデルを変えることができるので。
・読者はそういうことが知りたいはずだ。
・給食時間に貼って、その時間に絵を描いた子を全員誉めることで、子どもたちの関心・意欲を向上させるというのは、ポイントではないか。
→今回の話を受け、再度柴山先生の方で修正

<柴山先生D>
・間違えた子を指定して進めるというより、間違えた意見が出てきた場合の方法として考えている。(柴山先生)
・この事例では、教師は何もしていないように見える。教師が何をしたのかを書いてほしい。
・間違えた子は、正しい答えを聞いて、本当にそれで分かるのか?
・子どもが間違えたら間違えたなりの理論があるはず。それを踏まえた上でどう教師は働きかけるのかがポイント。そして、間違えを踏まえた上での働きかけが何なのかを書いてほしい。
・あらかじめ、よく間違える例を例示して、そこからその間違えを生かしていくノウハウを書くという方法も考えられるのでは。
・「あっている」「まちがっている」で評価するのではなく、子どもたちに考えを述べさせる、といったノウハウはあるはず。
・子どもの答えを、どう扱っていくか?というノウハウ。どうして間違えたかを、評価することが授業では必要。だから「どうやって考えたの?」というフレーズではじめればいい。あとは「途中までできているけど、そこから先ができるためには?」というのも考えられる。
・子どもたちの出力をどうやって授業に生かすかがポイントだと思う。
・2行、3行目での「間違ってしまったのか」というフレーズは発言した子の気持ちを傷つけると思う。「間違う」というフレーズは入れないほうがいい。
・誤答の活かし方は難しい。誤答を出す子を授業で使うこと自体が間違いだ、という考え方もある。間違えを怖れる子もいる。
・教師が誤答を使うというのは、教師の論理。間違えた子の気持ちは別に考える必要がある。「間違えてくれて」というフレーズは、危険だし、紙一重だと思う。とても難しいケースだし、教師の扱い方しだいでは、本当に子どもは傷ついてしまうのでは?
・実際、誤答を授業に活かすというのは、先生の判断にゆだねられる。例えば、3分の1間違えていたら誤答は使うとか、その子しか誤答がない場合は、絶対取り上げないとか。
・子どもではなく、教師自身が間違えることで、授業を進めることはある。

・誤答については、普遍的にこのやり方が「いい、悪い」はない。ただし、教師の力量の違いは、ここに鮮明に現れるのも事実。
・現状の仕組みで、「子どもの誤答」を入れ込むのは難しい。きちんとたくみの会として考え方をまとめるといった動きの後に、別の形式(コラムや対談形式など)で書いたほうがいい
→柴山先生Dの内容については、今回の手法紹介とは別立て掲載を検討。

<柴山先生E>
→保護者の活用方法などを検討すると、今回は見送る。

<梶田先生B>
・ロールプレイをしていない子と教師の係わり合いが見えない。みんなで考えてみようの部分で、何をしたのか?
・国語の気持ちを語る場合、正解となる規準を示すのが難しそう。気持ちを問うのは正しくない。
・今回のテーマだと社会の例示の方が断然おもしろい。社会の例示をメインに書く方が読者もすっとくる。
→それにプラスして、ロールプレイをする上での、教師の動きや動きのポイントなどを別途追加する。
→今回の話を受け、再度梶田先生の方で修正

<梶田先生C>
・社会などのように、事実を問う教科では、子どもも問題を作りやすそう。それから、子どもが問題を作ることで、教師は子どもを評価することもできる。ただ、この手法で国語を書くのは難しそう…。
・例示されている問題だと、子どもの作っている問題そのものにレベルがあるように見える。問題つくりをするときのノウハウが何かを示して欲しい。
・たとえば、教師側で限定することによって、子どもの学習力がわかるという手法にしたらいいのではないか?
・たとえば、「徳川家康」という答えになる問題を5つ作りなさい。といった形で、あらかじめ答えを限定させた上で取り組ませたほうがいいのでは?
・制限を作ることもノウハウ。社会科での問題のノウハウなどを例示することで、原稿を作れるし、例示は他の教科からでも出てきそう。
・問題つくりをさせて評価をする。ただ、問題を作るだけではだめだ。そこで必要なノウハウが何かを書く。
→今回の話を受け、再度梶田先生の方で修正

<松浦先生>
・道徳というテーマが難しいし、力量のある先生でできる人だったらやるだろう。しかし、この授業を実現させるために必要な背景や考え方などを記載するのは、今回の書籍のタッチでは難しいので、今回は見送り。

<太田先生>
・梶田先生と内容的に同じなので、梶田先生と今後の作業はリンクする形に。

<畑中先生@>
*子どものノートを確認しながら実施。
・「ノートを使って評価はできる」ということは、子どものノートを実際に見ればわかる。ただし、この手法を読んでいても、内容がリンクしない。
・たとえば、子どもたちが、これだけきちんとノートを活用できるようになるために、先生がどのような働きかけをしたのかが、書かれていない。あるいは、このノートをどのように評価しているかもわからない。
・たくさんのポイントが出てきているが、一つの手法に多くのポイントを入れると逆に読みにくいものになる。ポイントはシャープにする方がいい。
・継続して、ノートを作り続けるために、先生はどんなはたらきかけが必要かを書いてほしい。
・継続、出力を続けることの意味、意義を書いてほしい。
・ノートを書くときの約束事、それを継続させるために先生が気を付けていること、ノートを例示しながら説明させれば、伝わるのではないか?
・ノートを通じて、予習を徹底させることが、授業のポイントではないか。
・「一見大変に思える部分がポイントを押さえることで実現できる」という形がいいのではないか。
・子どもたちがこのノートを作っていくためのステップも興味深い。
・今回のような手法では、先生や子どもの動きを会話で表現する意味が見えない。もっと先生が子どもに対してどう働きかけをしているのか?特に最初のステップで何をしているのか?その工夫を書いてほしい。
→今回の話を受け、再度畑中先生の方で修正

<畑中先生A>
・子どもが言いやすい雰囲気をどう作るのか?
・こういう授業が成立するために何をしたのかがポイント。先生がどんな技を持っているのかがポイントだと思う。
・この手法のウリは何か?が見えない気がする。
・予習の時間で視点を作っておいて、挿絵を見ることで、子どもたちは意見が出てくるはずだ。予習という仕掛けがあって、成立するのでは。
・さしえを使って出てきた意見からどうやって授業を進めていくかも、ノウハウとして書いてほしい。
→今回の話を受け、再度畑中先生の方で修正
*Bと連動した事例

<畑中先生B>
・全部を知っていないと、学習計画なんて言えないのでは?小学生にはけっこう高度な取り組みのように思える。
・学習計画というよりは、「問題」「課題」を最初に取り上げると書いた方がすっきりくると思う。
・予習があって、予習によって視点が意識できるのもポイント。
・課題を作るまでのステップは随分いろいろとあるのではないか。課題を子どもが見つけられるような仕掛けをしているから、できることだと思う。
・「何をしたか」について、時系列で書くよりも、その内容のポイントが何なのかを意識して、それが伝わるように書いた方が、わかりやすいこともあると思う。今回の事例も、時系列に書かれるより、まず事例のポイントをはっきりと書いてくれた方がいい。
→今回の話を受け、再度畑中先生の方で修正

以上

次回は2月26日(火)19:00〜

以上

たくみの目次へ