勝田知久氏による議事録

たくみの会

■日時
2002年1月11日(金)19:00〜

■場所
エドウェル会議室

■参加者
玉置、松浦、柴山、佐藤、吉原、藤岡、畑中、梶田、渡辺、大西、勝田(記)


■議事内容
<玉置先生より資料の説明>
●小牧中学校第三回学校公開について
*詳細は添付資料を参照。
・第一回目から第二回目で保護者の参加数が減少したことを受け、第三回目の学校公開ではより多くの人に来てもらうことを主眼に企画を立てた。
・例えば、玉置先生の落語にしても、保護者から落語をして欲しいという要望があり、実施することにした。
・それ以外でも、より多くの保護者に学校に来てもらえるように、様々な企画を実施することにしている。→ぜひ添付資料を見てください。

●授業力UPセミナーについて
*詳細は添付の資料を参照。(後日アップ)
・授業ってこんなに魅力のある場なのだと、語り合う、話合う場をもっと設けたい、という想いからはじめようと考えている。
・授業へのこだわりを持っている人の話を聞く場を設けたい。
・当初、小牧中の若い先生などに聞かせることをイメージしながら、会の構想を考えていたが、もし実際にやるのなら、小牧中という枠組みでなく、県内あるいは県外からでも興味関心を持ってくれる先生に来てもらえるような会にしたいと思う。
・出演者への交渉、会への参加の告知など、会の立ち上げ作業はこれからになるが、小牧落語会で実際にプロを呼んでいる経験があるので、その道のプロを呼ぶノウハウは持っている。今回の会でも、教育現場で著名な北海道の野口先生、東京の佐伯先生などを呼びたいと考えている。
・授業という切り口で真剣に語り合い、考え合う場であるなら、きっと参加してくれる人も多いのでは、と考えている。
・当面は、玉置先生主導で実行委員会を設立し、運営していこうとかんがえている。実行委員会の進み方はリレー方式で実施する。詳しくは後日資料アップ。
・また、著名な先生方を招いたとしても、講演をメインにしようとは考えていない。メインは考えあい、話しあうところに置きたいので、質疑応答の部分にするつもり。
・講演の時間も設けるが、それ以上にその後の質疑応答の部分をメインにする。質疑応答の中身が充実できる会を目指したい。
・いずれはこの会に参加しないと駄目だ、と思われるような魅力ある会にしていきたい。
*小牧落語会でも静岡など他県から参加する人もいるし、若手落語家の間でも、この会によばれないといけない、という意識をもってもらえている。

●東京学芸大附属中、山梨県一宮町立一宮中の絶対評価への取り組み記事について
*詳細は添付資料を参照→略
・いま、たくみの会などで考えている方向性が全国的にもおこりつつある現状を考え、いま自分たちのやっていることへの手応えを感じている。

●平成14年度小牧中学校教育構想案について
*詳細は添付資料を参照→略(読んでみたい方は玉置まで連絡を)
・今年度が非常に変革の年であったので、次年度は今年度の方向性でさらに実践を重ねていくことを大きな目標と考えている。
・現在、職員の間からの意見交換を掲示板などを通じて実施している最中。
→とは、いいながらあまり意見はあがってきていないとのこと。
・基本的に意見がなければ肯定とみなそうと思う。

■前回話の出た動画活用システムについて玉置先生から説明
・撮影したものがすぐにLAN環境のあるPCで見ることができる。(室内NWで、タイムラグが約30秒間くらい)
・例えば、体育の授業で模範演技や子どもの実演が、約30秒後にすぐに見ることができる。
・もう一つのメリットは、取っている最中に見ることができること。ビデオテープメディアと違って、リアルタイムで取った画像を使うことができる。
・先生の研究授業などで、ストップモーション的な使い方もできるが、授業でも十分使えるのではないか。
・事実を元に論議できるのが前提するなら、研究授業でも威力を発揮しそう。
・もう一つは生徒会などでもつかえるのではと考えている。こういう映像メディアの場合、子どもが子どもに伝えることができると威力を発揮できる。



<評価に関する原稿の検討>
・まず全員で一本ずつ検討する。内容的にどうか、前回決めた項目に関して先生方の意識のぶれがないかどうか、言葉のゆれ、書き方などについても検討する。
・読者の気持ちで読んでみた上で、率直に意見を言い合いたい。

■吉原先生の原稿から
*吉原先生の「友達のいいところを見つけよう(他己評価法…造語、相互評価と似ている)」から

(@タイトルについて)
・他己という言葉は造語だと思うが、迷いがあってこの言葉にしたのか、あるいは意識的にあえてこういう言葉を使ったのか?
→迷いがあってこの言葉になった。
・できれば、こういう造語的な言葉を使う場合は、その言葉を何故使うのか(あるいは作ったのか)の説明がないと、読者には意味が伝わりにくい。
・タイトルにするなら、もう少し読者の興味を引くような言葉の方がいいのではないか。「友達のいいところを見つけよう」では、惹きつけられないかも…。
・例えば、先生が普段子どもに投げかける言葉なんかを元にタイトルは考えたほうが読み手にとっては、興味関心がひかれるように思う。
・またタイトルの後にある「他己評価法〜」の部分は項目でいうと(4)の「手法の説明」に挿入するものだと思う。

(C手法の説明について)
・本来、Dの部分で書くべき内容が書かれているように思う。もう少し、すっきりした方がいいのでは?
・ここは詳しく書き込むのではなく、すっきりと「〜という方法」というように評価手法を簡単に説明する言葉の方がいい。

(D具体例について)
・先生の手法に関する想いが述べられているのはいいと思うが、手法そのものが、うまく読み取れない。読み手がぱっと読んで、どんな授業をしているのか、というイメージが湧かないと理解できないと思うので、どんな授業をしているのかを、具体的に書いて欲しい。
・別に実際の授業場面を出すといっても、必ずこういうやり方にしないといけない、という意味にはならないはず。だから、「例えば、私はこんな授業をしています」というイメージで先生なりの授業場面を具体的に出して欲しい。
・最後に<実際のカード>と書かれている。実際に本にするときには、ここでカードの実物が欲しい。このように先生が授業で使っている道具がある場合は、できる限り本の中で紹介したいと思う。

■佐藤先生の原稿から
*佐藤先生の「交換しましょ、そうしましょ」から

(@タイトルについて)
・こういうタイトルはいい。やはりタイトルは、固く書く必要はなく、子どもたちに投げかける言葉から考えたほういい。あるいは、ぱっと見てひきつけられる言葉の方がいいと思う。

(A何を評価するかについて)
・何を評価するかの内容が「書く力」「読む力」とあり、Dにの具体例における先生が書く「手法のよさ」の一番最初に「子どもが書いた文章に対して、即時に添削することができる」とある。これは、指導要領に則して考えると、一番上に来るのはおかしいのでは。
→確かに指導要領に則して考えたときに、妙に思われる可能性もある。ただし、この本の趣旨を考えると必ずしも指導要領に縛られる必要もないのでは。
・今回のノウハウ集においては、あまり厳密に指導要領に縛られることはない。先生の意識している部分を書く方を優先させる。
→指導要領に厳密に沿っていない点については、本のどこか(前文とか?)で説明する。

(D具体例について)
・基本的に手法をどのように授業で使っているのかが、一番読者が知りたいことだと思うので、具体的な授業シーンをメインに考えて欲しい。ぱっと見て、授業シーンが浮かばないと、いくら想いや良さを書かれても説得力が薄い。
・たとえば、ぱっと読んで、授業時間はどうやって構成しているのか?と素朴に疑問に感じる。
→授業をするときに時間で気を付けていることは、書くスピードが子どもによって違う点を意識すること。なので、書くのが遅い子を軸に考えるようにしている。
・こういう先生の意識や普段実践していることを具体的に書いてもらえれば、より読者もリアリティを持ってくれるし、先生の手法から自分なりの発想をひろげてくれるはず。
・手法への想いも大切だと思うが、その手法をどう授業として実践しているのか、がはっきりすることが前提。

■藤岡先生の原稿から
*藤岡先生の「ホップ ステップ ジャンプ」から

(@タイトルについて)
・このタイトルもいいと思う。ぱっと見て、どういうことだろうと思えるから。

(D具体例について)
・「ホップ ステップ ジャンプ」という授業での取り組みについての説明が欲しい。何も知らない読者がどういう方法なのかわかるように書いてほしい。
・実際にこういう手法を取り入れる際には、先生から子どもにどういう説明をしているのかが知りたいと思うはず。そこがないときっと授業での具体例を書いてもわからないかもしれない。
・子どもにどうこの手法を説明し、取り組ませているかの説明は必要。例えば説明している場面などを具体的に書くなど。
・実際に、この手法を普段から使っている先生にとってあたりまえのことでも、初めて目にする読者にはわからない。だから、その手法についてわからない人が見て、わかるように書いてほしい。

■柴山先生の原稿から
*「ちょっとだけメモ」から

(D具体例について)
・実際に授業でその手法をどう使っているのかが、読んでも見えてこない気がする…。
・例えば、「ちょっとだけメモ」の手法を授業で使わせる場合に、子どもたちにどんな投げかけをするのか、授業でどのようにその手法が使われているのかがわからない。
・教科書にメモさせると書いてあるが、教科書にメモをとらせるのはどんなメリットがあるのか?
→ノートに書いてしまうと、子どもたちはどうしても一生懸命書いてしまいがちになる。教科書だとどうしてもスペースがないから、必要最小限の言葉しかけない。例えば国語の授業だったら、その主人公の気持ちを一言でその該当部分の横に書かせておいたりとかさせる点で効果がある。
・今、先生が説明した部分こそ、しっかり書いて欲しい内容。教科書に書き込むだけだと違和感を覚える読者もいるかもしれないから、どうしてそういうことをさせるのかの説明は必要。

■玉置先生の原稿から
*「教師の言葉を予想させて評価する」から

(@タイトルについて)
・これまでの話を受けて、タイトルは変更する。もう少し、子どもに語りかける言葉やあるいはひきつけるような言葉にしたい。

(D具体例について)
・資料の一番最後にある「流れ」という言葉が曖昧すぎないだろうか?これだと授業における先生の行為の流れにとられかねないと思う。例えば、「いつもの先生の動きだったらこの後は先生はきっと質問をいうはずだ!」というように授業における先生の行為などととられがちではないか。本来、「こういう内容を学習したから、次にこういう内容を学ぶのかな?」と子どもに思わせるのが、玉置先生がイメージさせている内容だと思う。なので、そこをきちんと書いて欲しい。
・玉置先生のように、授業シーンを書いてくれると、読んでいて授業の流れがイメージできる。こうして授業の流れがイメージできるような内容の方がわかりやすい。
・手法のよさという観点でもう少し先生の考えがあってもいいと思う。

<上記の話合いを受けて>
●Dの具体例は、主に下記の内容を書く場所とする。
・実際の場面(具体的な授業場面)
・その手法への先生の想い
・先生が考えるその手法のよさ
・この手法を使う上で気を付けている点(留意点、注意点など)
・その他
→「その他」については、@〜Cの各項目で書けなかったけど書きたい内容について書く場所とする。ただし、「その他」の内容がもし新規にカテゴライズできるような内容であれば、再度その段階で検討する。

*メインはあくまで「実際の場面(具体的な授業場面)」とする。知らない読者が見てもその手法が授業場面でどう使われているのかが想像できるようにしたい。
*先生がわかっていることは、読者はわかっていないと考えながら書く。出来る限り詳細に(多少くどいくらいでOK)事例の紹介はする。

●Bの種別について
・一つの評価法でも、さまざまな場面で使えるケースも想定できるはず。その場合はどうしたらいいのか?
→基本的に種別は一つに限らない。複数のケースで使えても構わない。先生が考える学年を明記してもらえればOK
・今回は、詳しく小学校1年生とか書く必要はない。低学年、中学年、高学年、全学年などのように、ある程度の幅(範囲)を示すことができるように書く。
・小学校高学年を想定して考えた手法も、ある部分に留意すれば低学年でも十分に使えるときもある。こうした場合はどうすればいいのか?
→種別に複数でも使えると書いても構わないが、いろいろな学年で使う上で考えないといけない留意点については、必ずDでその内容を書き加える。

●表記について
・「児童・生徒」という使い方は「子ども」に統一。

<最後に、会に参加された先生+大西氏から一言ずつコメントする>
・せっかく、映像が撮影できる環境があるので、今日休んだ先生がわかるように、会で話し合われて決まったことをコメントしあう。
→先生同士で分担を決めて、カメラに向かって会の議題内容について話されました。
→コメントの内容については、映像ファイルとして保管。映像ファイルの閲覧方法については、後日玉置先生から告知。

次回は1月23日(水)19:00〜

以上

たくみの目次へ