勝田知久氏による議事録

たくみの会

■日時:12月17日(月)19:00〜21:30

■場所:エドウェル会議室

■参加者:玉置、大森、山田、松浦、梶田、鈴木、瀬尾、佐藤、太田、酒井、柴山、渡辺、大西、勝田(記)

■玉置先生よりネットワーク系ツールについて提案
・情報機器を使いながら交流学習をしている事例(ブラジル、北海道など遠い地域との交流など)はいくつかあるが、その多くは成功とは言いがたい内容だと思う。ただし、交流は必要な要素。そもそも交流の目的は、遠いところと交流することではないはずだ。「想い」や「目的」があって、そのために交流をするのでは。
・身近なところで交流をしていないのに、いきなり遠い場所で交流してもうまくいくイメージがわかない。イベント的に、遠くの学校や地域と交流することが交流ではない。
・例えば隣の教室との交流でも意味があるのでは。授業をよくまとめることができた生徒のノートを、別のクラスで見せたらどうだろうか。隣のクラスの子の成果から、学習をひろげていけるのではないか。
・常に授業の中で他の子たちに見せたいもの、聞かせたいものを、簡単に蓄積でき、なおかつ使いたいときに簡単に取り出せるというデータベースがあるとしたら、授業や学校生活の中で使えるシーンはあるのだろうか。他の先生方はこうしたシステムが身近にあったら、役立つものとして捉えてくれるのか。
・この話を受け、上記のようなモノが学校にあれば、効果のある活用が先生方一人ひとりに感じてもらえるのかどうかについて、意見が欲しい。

■玉置先生の話を受けて、意見交換
・そのデータベースでは映像も使うことができるのか?
 →映像を使えることは前提として考えている。
・その場合、授業全部を撮影するというイメージなのか?
 →授業全部取って、それを編集するという作業でもいいが、もう一方で、授業の一部分(記録するに値する部分)を記録するという方法も考えられる。
・基本的に利用するのは教師?子ども?
 →教師が主体的に利用する形になるのでは。子どもも使うのは全然構わないが。
・撮影者がカメラを持って、授業に入ってくることに抵抗があるのかどうか。もし抵抗がある、という話であれば、どういう記録方法がいいのかは検討する必要がある。
・簡単に昔の生徒の学習記録、別のクラスの学習記録を使えたら嬉しい。頑張った生徒の結果を紹介したいと思う。
・授業ごと、学年ごと、あるいは形式の異なるメディアで貯めているものが、わかりやすくまとまっていて、ぱっと取り出せるというのがベストだと思う。
・学級会や生徒会など、子どもで頑張ったことの記録を、生々しい(リアルな)声で残しておきたい。先生の思いや目的でも、文章で残っているものを、音声や映像で見たい。見せたい。
・過去に決定したことでも、文章で子どもたちに説明するより、昔の生徒会長の声や、映像で見せたいと思う。例えば、以前、心肺蘇生法の授業で、実際の救急隊員の人に話をしてもらいに来てもらった。そこでのリアリティのある話、実際に日々現場で頑張っている人だから語れる話を聞いて、生徒も非常によく集中して授業に取り組めた。救急隊員のリアルな話が心に響いたのだと思う。
・学校では「残す」という視点はあるが「利用する」という視点があるのだろうか。残すことが大切なのではなく、残したものは使ってこそ残した意味があるのでは。
・今回の話でも、教育という視点から考えて、記録など残しているものを、どう扱っていくのかを考えていきたい。どういうシーンであれば使えるのか、そのためには何が必要なのか、の検討が必要なはず。
・そもそも、となりの授業で頑張った子どもの成果を見せることは交流なのだろうか。交流というよりはワンウェイ(一方通行)のような気がする。時間軸に沿った記録や、あるいは生徒が見れなかったリアルな映像を見せるという部分では効果があるかもしれないが。
 →記録をしても、どういう使い方が学びを広げ、深めるのかを意識しないと、確かにただの紹介に陥りかねない。そういう意味ではどう使うのか、見せるのかがポイントになると思う。
・音声と映像を格納できるDBという発想であれば、以前からそういうものは考えられていたように思う。ただし、インターフェイスが問題で、なかなか実現に至らなかった。先生が積極的に活用できるよう、インターフェイスをしっかりさせることが重要なのではないか。
 →インターフェイスについては、作っていく中でまた、みんなで知恵を出し合えればと思う。
・こういうDBを使う上では、過去と現在という時間軸の交流と、空間(場所と場所)の交流という二つの視点が必要。それぞれの効果を切り分けて考えるべき。
・DBでポイントになるのは、貯める部分の作業をどうするのかである。使うことは知恵出し合えば可能なはず。ただ、どう映像を取るのか、貯めるのか、という部分がある。素材集めをどうするのかがポイント。(全部貯めるのか?精選して蓄積するか?えらぶのであればどう選ぶのか?)
・これまで、授業記録をホームページに残す作業を続けてきたが、振り返ることは有益なことだと思う。今回のように映像を取るというのは手間のかかる作業だと思う。そういう意味では記録する上での手間を省けるという点が実現すれば、効果的なものになるはずだと思う。また、活用してこそ意味があるものだから、使い続けることに主眼を置いて、考えていきたい。

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<評価のアイデア集に関する検討>*詳細は各先生の原稿案を参照
■各先生の原稿から検討
・まず個々の先生が書かれた原稿解説は後にして、初めて見る人が、こちらの伝えたい意図がわかるか?読んで初めて見る人でもわかるか?を軸に考えたい。
・もう一点は、実際に前回玉置先生より説明のあったフォームで書いてみて、どうだったか?書く上で苦しい?やりにくい?あるいはこうしたい!という意見を出し合いたい。

■前回提示のフォームによる執筆感想
・まず教科を書き出して、それを見ながら、自分のやり方を思い返しながら書いていった。それから書いたものは、読んでいただく方にわかりやすいかどうかに主眼を置いて考えた。
 →わりと簡単に、短時間でできるのではないか。
・書いているとき、それから今日提出されているものを見て思ったのは、今回の「評価の手法」というテーマでは、「授業アイデアのようなもの」「授業の様々な場面で使える評価」「ある教科のある場面の評価」という3つのパターンが出てくる。今回の趣旨で考えるとどれになるのか?
 →基本的には全てOKでいい。厳密な意味での評価法ではなく、授業を豊かにするための様々な評価のアイデア集というイメージで考えて欲しい。
・授業の中での評価だけではなく、授業の終わった後の自分なりの評価場面はどうすればいいのか?
 →授業を豊かにするのであれば、ぜひとも紹介して欲しい。

■(1)「タイトル」について
・タイトルのつけ方が難しかった。
・実際のタイトルのつけ方と、それを見てこちらが何を感じるかがはっきりしないことがあった。タイトルのつけ方については、ある程度共同認識を持ちたい。
・今回の本の目的が、評価の技法を紹介するのであれば、大森先生のタイトル「東西南北」は授業内容を表していて、評価技法を示していないと思う。
・タイトルについては、例えば先生の投げかける言葉にしてはどうか。
 →授業場面が想起できるようなキーワード(先生の一言)をタイトルとして使う。
・先生の正直な言葉で語られるキーワードが、必要。先生のその時の使う言葉にこそ、リアリティがある。

■(3)「種別」について
・章分けをどうするか、何を規準にどう分類するのか、は書きにくい事例が出たところで、個別に検討した方がいいのでは、基本的には先生の方で書くように進める。ただし、基本的には編集段階で再考する。

■(4)「手法の説明」について
・(4)と(5)がかぶる可能性もあるはず。
・手法の説明は書きにくい。書く必要のない事例もあるのでは?
 →書いた方がわかりやすいものもあるし…。一応、原稿提出段階では書いて出して欲しい。その後の編集作業で考えるべき。
・手法の説明については何とか書く。5つとも同じ事例の場合、手法の説明は一緒でもOK。
・ここだけを読んで、その手法がどういうものかがイメージできるようにする。

■(5)「実際の場面とその手法のよさ」について
・大森先生のようなタッチのものにするのか?玉置先生のようなタッチにするのか?書きたい事例にあわせて、ある程度タッチは変わるはず。書籍としてのタッチをあわせる部分については、最終的には編集段階で実施する。
・(5)は授業での配慮すべき点があれば書く。「こうすると問題が起こるかも…」「ここに気をつけよう」とか。先生からの一口コメントのようなもの
・(2)(3)は特に必要ないのではないか。(5)の例で書くのでは?
 →(5)での具体例と(2)(3)は別ものとして考える。
・基本的には具体的な内容にする。

■その他の意見
・内容によっては、イラストなども入れていきたい。
・複数の人間で書く以上、タッチとか文章の雰囲気を一本にばしっとまとめるのは難しい。ただし、書く内容などは枠組みは決めて進める。その枠組みに沿って、先生なりに書いて欲しい。その先の作業は編集面で実施する。
・タイトル、カテゴライズ、書く項目、書くタッチやレベルのゆれは、全員で何度か調整しながらあわせたい。ただし、最終的な編集作業はプロに任せる。

■現段階での原稿スケジュールについて
・2月末には先生からの原稿を〆
・3月末に完成原稿FIX
・5月連休明けに印刷会社入稿
・6月発刊
・上記スケジュールを考慮して、たくみの会1、2月は2回運営する。計4回運用する。各先生とも必ず2回は参加してほしい。

■その他
・提出された原稿は玉置先生のHPにUPする。
・原稿については「みんなで考える」ことが基本。その方が、楽なはず。わからないこと、悩んでいることなどは、どんどん共有すればいい。いいアイデアをうまく使えばいい。
・原稿の分量は、後ほど、玉置先生から連絡。
・今後の会の進め方などについても、玉置先生から連絡。

次回は未定  → 1月11日(金)、1月23日(水)、2月12日(火)、2月26日(火) いずれも19時より

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