勝田知久氏による議事録
■日時 ■参加者 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■次年度より導入される絶対評価について−玉置先生より ・絶対評価を進めていく上で、まだまだ考えることは多々あるが、絶対評価というシステムの導入は、教師としては非常に「おもしろい」変革だと思う。評価を明確にする作業は大変かもしれないが、自分としては、より教育や授業を面白いものに変えていくための「わくわくすること」がはじまろうとするイメージを持っている。 ・教師の間で、絶対評価についてきちんと検討する仕組みや体制・組織を構築し、教員同士の間で進めるべき。小牧市評価研究会という場で、国(国立教育政策研究所)が発信するそれぞれの項目について、現場にどう落とし込んでいくのかについては検討していく。この「たくみの会」では、現場から考えられること、準備できることについて、みんなで考えていきたいと思う。 ・教師にとっても今回の絶対評価の導入は、教育をもっと良くしていく為にはいい機会だと思う。子どもたちにもっといい授業をするための絶好の機会と捉えなければいけない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・国では、この規準を、研究指定校で実施することにより、さらに落とし込んでいく作業を実施している。来年の4月にはこの研究結果をもとにしたものが現場に提示されることになっている。 ・ただし、知り合いの文部科学省の研究員の人からは、「玉置先生、現場で使えるもっといい資料がないか?」という要望があった。文部科学省では、なかなか「評価」に関するいい資料(現場で本当に使える情報)がないのが状況。また、文部科学省から出てきてしまうものが、評価のための評価に陥りかねない状況。 ・とはいえ、そもそも国から提言している内容は正しいものであるはず。ポイントは、その国から示されたこの規準を、現場では、どう活用するのかにある。 ・絶対評価とは、授業をもっとよくするために、どう利用したらいいかという視点で取り組まないといけないものと考える。 ・次の授業に反映されない評価は意味がない。評価法が具体的になれば、授業が豊かになる。 ・絶対評価に関する準備が進めなければいけないはず(時期)なのに、学校全体としてまだまだ進んでいないというのは、大きな問題ではないか。まずは教員同士、学校としてどう進めていくかを検討していかないといけないはず。 ・評価を示すということであれば、何をもって、どういう風に評価をするのかを、事前に示さないといけない。たとえば、テスト形式で評価するのであれば、どういうテスト問題で評価するのかまで、保護者や生徒にを示さないといけないのでは。 ・そこで教師がそれぞれ参考にできるようなものが、今どこにもないのが現状である。 ・絶対評価のあるべき姿というのは、教師が、保護者や生徒からの評価についての疑問に、自信をもって説明できることにある。もっというと教師が自分の評価を自信を持って公開できるかどうかがポイントになる。 ・みんなで考えていくというのは、評価の軸はある程度同一にする必要があることも考慮してのこと。学年間でばらばらになるような評価軸ではいけない。 ・評価の変容によって、授業が変わるのは本末転倒。とはいえ、変わるのではなくもっと良くするためのきっかけとすることはできるはず。 ・今回のたくみの会では、各先生から、自分がノウハウとして持っている「目的にあった評価の手法」を出し合い、そのノウハウを全員で共有したい。そうすることで、先生の評価の観点の精度がさらに高まり、授業そのものが豊かになるのではないか。教師自身が、評価を見つめることで、授業の広がりが豊かになるはず。 ・たとえば、子どもたちのどんな呟きを聞いて、それを授業の中でどう評価して授業を進めているのかを考えてみたい。評価を前提に置いて、発問を作ることで、授業が豊かになるはず。 ・現場レベルで活用できる(教員にとって参考となるような)評価の手法・実例をまずは多くの教師から提案しあい、提案された様々な場面の様々な評価の手法を、全教科で洗い出し、検討し、整理していきたい。そうやって教科を問わず整理された評価の手法の一覧は、現場の先生に参考となる評価事例集になるのではないか? ・ある単元で、最低限押さえないといけない要素が、基礎学力の問題ということになる。つまり、基礎学力を示す問題というのも、評価する想いがあって生まれてくるはず。こうして、目に見えない形で、先生たちは評価を示しているはず。 ・評価をする上では、評価して終わらないようにしなくてはいけない。たとえば、基礎学力を含めて、評価の基準を満たす問題のデータベースのようなものが構築できれば、それぞれの生徒の観点別の評価で、生徒が学ぶべき方向性(問題が見えてくるはず) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・確かに、絶対という言葉は明示されていない。ポイントは、子どもを、「形成的な評価」したいことにあると思う。それをイメージするために、絶対という言葉を使っているのではないか。 ・観点別評価がある意味では、絶対評価。評定まで含んで、観点別評価。子どもたちの状況を正しく評価することが願い。 ・問題としては、保護者などが絶対という言葉にどういう反応を示すのかがあると思う。いわゆる絶対的な評価というイメージがもたれそうな気がする。絶対〜だから優れているというわけではない。 ・そこについては、小牧市評価研究会に委ねる。 ・何よりも、それぞれの教師がもっている評価のDBが、授業(子どもの指導)に生きるようにしたい。そんな活力を生み出せる効果的なデータベースを作っていきたい。 ・また、評価のための評価に陥らないように、常に、子どもたちの学びがよりよくなっていく評価を検討していくことが大事なはず。(評価するのが目的ではない) ・今の状況では、絶対評価を具体的にどうするのかが見えない。これまで、絶対評価的なことを先生たちは実践しているはず。それを表に出し、明確にすることが大切。各自が実践していることを、みんなに読んでもらい、再整理化したい。 ・偶然やっていた、無意識になっていた、ということではなく、再現性のある評価手法を蓄積していきたい。 ・数値を出さざるをえないのは、仕方のないことではないか?ある程度、到達点を作らなければ、目標も生み出せないし、総括(振り返り)も出来ないのでは…。それを数値評価するのは意味があるはず。 ・もう一つ通知表のポイントでは、事前に到達度評価を提示することが大事になる。つまり、通知表では、何ができて、何ができていないのか、を明確にしないといけない。 ・評価をする上での取り組み(問題)が、覚えて済んでしまうような問題であってはいけないということ。考えないと解けない問題を考えなければいけない。考えないといけない問題をどれだけ作るのか? ・評価する上では、評価基準を明確にすることも必要。○か「なし」かしか存在しない。のが本義的な評価なのかもしれない。それは、全て先生の中の評価軸が明確になるはずだが、まだそこが実現しない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・本来、高校から、どんな生徒が欲しいのか、という観点が示されなければいけない。しかし、実際に高校は、中学校を見ていないかもしれない。中学校からも、高校に対して、どんな生徒が欲しいのかを発信させるような、アピールが必要か。 ・まずは、高校、中学という枠組みを超えて、絶対評価の導入による、評価の変革を前向きに生かしあうことが大切なはず。そのときのベースになるのは、絶対評価がきちっと実現できることではないか。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・たとえば、内容的には突飛なことでも、自分なりに考えた思いは正当に評価しないといけないはず。それに、教員によって、評価がばらばらになってしまうと、保護者や生徒も混乱してしまうのでは…? ・先生によって、評価が変りやすいようでは駄目だ。学校として、保護者や生徒に対し、その評価を説得できるようにしないといけないのでは。 ・教科の中で、何も言ってもいいよ、ということではない。思考、ひらめきがある。そういう部分も含めて、評価するべきではないのか? ・社会科では、数値の評価は無理ではないか?数値の評価は、そういう場面があったというだけで、○ではないか。 ・視点とロジック。ロジックを吟味しないといけない。先生にとっては、そのロジックを評価すればいいのではないか。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・いいとこについては、各先生が学校のDBに書き残すようにしている。学期末ごとに通知表と一緒に「いいとこ探し」の情報を各生徒ごとに手渡している。 ・元来、教師とは、悪いところばかりに目がいきがち。そうではなくて、いいところを見いだすことも重要ではないか、という想いからはじめている。 ・また教師用の情報欄として、備考欄を用意している。備考欄は生徒や保護者には見えないようにしている。先生同士で共有する情報を入れている。 ・「いいとこ探し」とは教師みんなで、生徒を見ることである。 ・小牧中学校の「いいとこ探し」があったら、もうこれまでのような所見はいらないのではないか。そもそも、中学校ではこれまでどうやって書いていたのか? ・「いいとこ探し」も小牧中学校のようにコンピュータやネットワークがあるからできることではないはず。別に、「いいとこ探し」はコンピュータがなくてもできるもの。 ・絶対評価導入後、教科においても、「いいとこ探し」は活用できるのではないか?規準に示されない生徒の呟きや発想なども、きちんと評価することは大切なはず。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・評価の手法を収集することの目的は、先生たちが、考え方として立派な絶対評価の、その具体的なレベルでどう進めるのかを意識する上でのノウハウ作り。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・絶対評価を考える上では、具体的なシーンをイメージできないといけない。そのためにも具体的な場面での実践例を提出してほしい。 次回のたくみの会予定日程:11月22日(木)19:00〜
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