式の計算

指導のポイント
授業技術
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項、係数、1次の項、一次式などの数学用語の完全理解を図ること。


項の見方を例のように声に出して言わせる。(例)6−4xは6+(−4x)とみることができるから、項は6と−4x。

例を多く示して、できるだけ多くの子どもに確認する。(例)2x+y−5の項を言いなさい。そのときに、スピードと正確さを要求する。遅い場合はその子どもに何度も挑戦させる。できて当たり前という姿勢を貫く。

係数が分数のとき、とくに分子が1となるとき、また係数が−1となる場合の誤答が多い。意図的指名で意図的指導をする。


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式を簡単にしなさい→計算をしなさい、に問題文が変わる。簡単にする意味をしっかりと押さえたい。


「簡単」という言葉は要注意の言葉。子どもは何が簡単なのかが分からない。

数学は簡単にできるものは簡単にして表現するという学問である。たとえば、「10−3」というのも、簡単にできるので「7」と表現するわけで、簡単にする方法が分からない段階では「10−3」と答えても十分であると言ってもいい。小学校での指導「10−3」は式、答は「7」という指導はある面で間違っていて、「10−3」も答なのである。「5−8」も負の数を知った段階から「−3」と表すのである。

つまり、どんな場合も一番簡単にした形で表すのが原則で、計算をしなさい=できる限り簡単にした形で表す、ということであると押さえておきたい。

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7xーx もしっかりと確認。


7x−x=7などと、おもわぬ間違いをするのが、左の式である。要注意を。

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かっこの重要性を強調。


子どもは面倒になり、特に式を足す場合にはかっこを省いてしまう子どもがいる。「どうせ同じだから」などと言う子どもがいる。そういう子どもに限ってケアレスミスが多い。かっこの持つ意味をしっかり知らせたい。そのためには、かっこの位置を変えて、式を読みとらせるとよい。

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−5(2x−4)の理解をしっかりさせる。


−5を括弧の中の項にかけていることをしっかり押さえる。ここでの押さえが甘いと、6(y−7)−3(4y−5)などといった計算でのミスが増える。−3(4y−5)と見ることができる生徒は計算ミスは少ない。

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(15x+30)÷5は乗法で押さえる。


÷→×にする習慣をつけた方がよい。操作の統一ができるからである。覚えることはできるだけ少なくさせることが大切。