銭湯で見つけた自己満足
2002.9.28

睡魔に負けて、風呂に入らず寝てしまった。
翌朝、風呂に入りたい!という欲求にかられ、ふっと「銭湯」が思い浮かび、本当に久々に銭湯(スーパー銭湯五郎丸)に出かけた。

土曜日の早朝から銭湯に来る客などがいるのかと思いながら、出かけてみると、そこには「銭湯の達人」の皆様がおみえになった。勉強になりました。満足しました。ちょっとした銭湯記を書いておきましょう。

まず目に付いたのは、銭湯必須アイテムを持参しているおじいさんやおじさん。

みなさんが、それぞれカラフルなプラスチックのかごを持参。そこにはタオルはもとより、ヘアーシャンプー、リンス(おじいさんに必要か?)、ボディシャンプー、たわし風タオル、歯ブラシ、歯みがき粉、ひげそりなどなど、必須アイテムがぎっ〜しり。
ああ、こういうものを持ってくるのね。タオルと旅行用のちっちゃいシャンプーを持参した自分。「おまえさん、まだまだケツが青い」と言われそう。銭湯には、銭湯の達人が存在するのだ。

その中でもとりわけ唖然としたのは、実に動きが機敏なおじいさん!
必須アイテムをてきぱきと取り出し、さっと使って、またもとの位置へ。
戻す位置を長年の経験から決めているに違いない。動きにいっさい迷いは感じられない。シャワーで頭から湯を浴びながら、目をつぶったまま、一方の手でさっと戻す動きに、美しささえ感じられる。
洗体が済んだら、今度は歯。歯ブラシを取り出し、のせる歯磨き粉の量は、これまた、これ以上多くても少なくてもいけないという、達人の分量。のせたと思ったら、さあっと口へ。そして、ゴシゴシと音を立てるように磨く、磨く。
こっちは体を洗うことを忘れ、ぼう然としていた。

そして、さすがスーパー銭湯。さまざまな湯船あり。さあ、どこに入ろうとそれぞれの湯船を見回して発見。

一つ一つの湯船に、その湯船の主のような方がつかってみえるのだ。何年かぶりに銭湯を訪れたこの若輩者。その湯船につかっていいものかどうか。思わず緊張が走る。その達人の様子を伺いながら、静かに湯船に入る。いや同じ湯船につからせていただくのだ。(このように思わず敬語を使ってしまう、この雰囲気をぜひ想像していただきたい)

湯につかっていても、今一歩、毛穴が広がってくるような感じがしない。むしろ閉じていくような雰囲気。

露天風呂なら開放的にちがいないと思い、十分にあっためた体を外にうつすと、やはり、そこにも達人がなんと仁王立ち。

威厳に満ち満ちたスーパー銭湯。達人たちのあの裸体が未だに脳裏から離れない。今もあの達人たちは、あの湯船につかっているように思えてならない。

ちょっとした銭湯記でした。おつきあい、ありがとうございました。

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