16.6.4

一度は大阪地元での福笑独演会に行ってみたいと思っていた。
運良くオフ日となって大阪厚生年金会館に出かけた。
会館付近に近づいて感じたこと。
「おそるべき福笑」
会場をぐるっと取り囲むようにお客さんが並んでいる。
ちょうど開場直後である。
正直に話す。
そんなに人はいないのでは・・・、芸術ホールは小さな会場で・・・
と侮っていた。
ごめんなさい。福笑師匠。
1200人ほど入る会場、2階席までびっしり。
「おそるべき福笑」

*師匠の考え方で1200人の会場でも全自由席。
早い人は2時に並んでいたとのこと。

■ たま 「船徳」
いやあ、何でもありですね。福笑門下らしい変化球まくら。たまのHP日記のおもしろさ、そのままじゃありませんか。本題では、東京ネタをもってくるわ、上下をきらないわ、高座ではたちあがるわ、一回転するわ、川に落として櫓で突っつくわ、十二分に楽しみました。

■ 福笑 「資料室長山寺瓢吉」
新作。言わなくても分かるね。いやあ、なんと表現していいやら。人質をとって籠城した犯人、いわんでもええことを勝手に喋って犯人を刺激する人質、犯人を説得しているのか、人質に怒っているのか訳のわからない、拳銃を持つと人が変わる元警察の山寺室長、まさにギャグ劇画の世界。会場爆笑連続。う〜む。こういう噺で年代を問わず大笑いをさせてしまう福笑、おそるべし。

■ 西川まさと・林家そめすけ 「ものまね漫才」
いとし・こいし、ダイマル・ラケットのまねに満足。もう少し運びを考えると、もっとおもしろいのにと思うシーンがしばしば。

■ 福笑 「初天神」
人を描いてしまえば、ちょっとした間も笑いが生まれるもんや!どうや!芸の力をまざまざと見せつけた一席。福笑版古典落語を堪能。

■ 福笑 「荒寺幽霊」
実に福笑らしいまくら。「基本的に」という言葉を使いすぎるという指摘から笑いへ。日本語には「〜せざるを得ない」という否定的な表現が多いという指摘から笑いへ。こんなまくらをふれるのは福笑だけ。
本題はもちろん新作。嘘をついたことがないという男の幽霊と悪知恵が働く主人公の「憑き物を落とします」という怪しい商売騒動。これも会場大爆笑。

3席を聞き終えて。
まいりました!という気持ち。本当にすごい人、頭のいい人、独特の世界を持つ人、おそるべし福笑師匠。しかし、噺が進むに連れて、お客さんの笑いの反応に気がいっている自分がいた。大阪ではこんなにうけるけど、果たして他の地ではどうなのだろうか?、福笑初体験の方にはどうなのだろうか?とイラン心配をしてしまう自分。大阪まで足を伸ばして、つまらんことを考えている自分。世話人体質なのかなあ。