16.4.3


昼の部(途中から)
土曜日ということもありほぼ満席。若い女性客も多いので、自然と
会場の雰囲気も軽い。ときどき客のひとりがトイレに立つのも笑いに転化。

昼の部
■さん喬「花見小僧」
夜の部にない雰囲気と噺の上手さ。
■ひな太郎「締め込み」
復帰後2回目です。古今亭の頃の印象と少し違ってましたが、健在。
■正朝「看板のぴん」
お元気でした。貫禄も出てきましたね。
■正楽「ミッキーマウス」「花ふぶき」「松井秀喜」「鳥インフルエンザ」
■文楽「替り目」◎
いつ来ても「替り目」ばかりなのはがっかりですが、「替り目」なら名人の域。

夜の部
■ゆう生「転失気」
■小太郎「崇徳院」
■文左衛門「青菜」
植木屋の家が、掃きだめと公衆便所との間にあるという設定は始めて聴く。「青いものを通してくる風が‥‥」のくだりが「便所に撒く石油乳剤の‥‥」が可笑しかった。
■駿菊「船徳」◎
いきなり「四万六千日、お暑い盛りでございます」から「船徳」へ。寄席なんかではこうやるもんなんですか。「徳は一人で旅立ちます」や石垣を客に漕がせるなど、随所に笑えるところがあり、良かった。
■萬窓「厩火事」
■花島世津子・手品
■馬遊「牛ほめ」
■白鳥「スーパー寿限無」
まくらから爆発してました。HPの書き込みから、ひょっとしたらこのネタが聴けるのではないかと期待していたらその通り。せっかくついた長い名前なんだから、一度はきちんとゆっくり聞き手に「こういう名前がつきました」と示しておいた方がいい。演者が言えないふりをするのと本当に言えないのとは違うのだから。
◇中入
■たい平、三太楼「茶番・仮名手本忠臣蔵五段目・山崎街道」
二ツ目の頃営業に使っていたネタだそうで、今日は二人だから久しぶりにやってみようと前日相談して打ち合わせは出番五分前。与市兵衛役の三太楼の惚けに斧定久郎役のたい平がつっこみを入れるという構成。本人もHPで書いているように楽しそうな舞台でした。儲けもの。平凡社『落語と歌舞伎粋な仲』31ページに若い頃のその写真が載っている。
■三太楼「花見の仇討ち」◎
最近よくかかるこの噺だが、先代馬生レベルのを聴くことはほとんどなかったが、今日のは馬生を彷佛させるよい出来。唱うようなリズムの噺家でなく、間が面白く聞かせる噺家を目指しているよう。この噺はその間がうまく引き出せていて、笑いにつながっていた。
■たい平「幾代餅」
ここのところ連続でこのネタ。集中してもちネタをかける傾向があり、仕方ないか。

中入までの、文左衛門・馬遊・白鳥の三人が、言い間違いや言い落とし・言い忘れ多し。
文左衛門は、お屋敷で縁側を褒め忘れたり、氷を食べ忘れたり。馬遊も肝心の台所の節穴
の褒め方を聴き忘れる。白鳥は、長い名前の言い立てを「もう一回やらせてください」と二度もやりなおし、しかも長い名前をきちんと言えないまま。稽古不足と下手キャラとは違う。