15.11.7

挨拶も前座も無しでいきなり扇遊登場。
会場は25人程度のため、
拍手もこころなしか元気がない。

■「天災」
軽くマクラをふって、噺に。安定した出来だが、クスクス程度の笑いしかおきない。
■「夢の酒」
高座を下りずにそのままもう一席。始めて聴く難しい噺で、下手な人の手にかかれば、「ひどいものを見せられたなぁ」となりそうなものを、しっかりとした輪郭で語った。夢の中に出てくる女性宅で、「○○屋の大旦那じゃありませんか」と呼び止めておいて、お酒を勧めるくだりでは大旦那のことを「おとっつぁん、おとっつぁん」と言うのは何故だろうと、しきりに気になる。
■「文違い」
聴きたいものだなぁと思っていたところ。最近は、噺を聴く時に、昔の噺家の演じた高座のイメージがついてまわることが多くなった。そうそうしょっちゅう聴く噺でないだけに、先代馬生の「文違い」のイメージと比較しながら、聴いてしまうことに。
新宿の女郎おそめとそれを騙す芳次郎がなんとも味わいのあった馬生の噺、楼内のやりとりから最後の手紙の食い違いの会話まで上手いけれど、加齢とともに加わる人間の描写力はどうしても馬生には見劣ってしまう。複雑で、難しい噺だ。


少ない客でも、汗たらたらの(顔に汗をかくのは修行がたりぬ・扇遊談)熱演に拍手。