15.8.20

千秋楽ということで心して出かけたところ
6時には満席。例によってパイプ椅子で通路に補助席が
でる。入って当然、だってとにかくおもしろいンだもの!!

■とし松/曲独楽

■円太郎「祇園祭」○
持ち時間が短いため前半を大幅にカット。叔父さんの知り合いの人に江戸の悪口を言われて言い返すあたりでは、客席も「反上方」で一体となってましたね。東京ならではですね。力入ってました。

■歌武蔵「風呂敷」○
あいかわらずの可笑しみがあります。聞きやすく、分りやすい落語家ってとこでしょうか。

■正楽/紙きり
寄席の踊り・花火・勧進帳・卓球部「卓球部」という声を無視して進め(うける)、後で思い出したように「卓球部という声がありました」と拾うあたり、ドッとうける。

■たい平「紙屑屋」花◎
サービス精神には頭が下がります。他の噺のくすぐりを持ってくるのは通常は嫌われること。でも、そんなことお構い無し。紙屑の山から若旦那が発見する物は「都々逸名曲集」以外に「サラリーマン川柳」だの「テレビ番組の脚本」だの「芝居名せりふ集」だの。もちろんそれぞれに声色(福助と団十郎)あり、花火の音真似ありのギャグ満載。「いつまでそんなことやってんですか」という紙屑屋の主人に「もうやります。ネタもほとんどやりつくしましたから」などなど、たい平落語の魅力を満喫。

■喜多八「遊山舟」○
東京では始めて聞きますこの噺。「夕涼み」というタイトルかもしれません。適当に力がぬけていて、前のたい平と好対照。「茄子娘」とか「ぞめき」とかあんまりやらない噺が多いですね。

■のいる・こいる/漫才

■こぶ平「ぞろぞろ」◎
前半笑いの少ないところを丁寧に語っている。少しも焦ったりあわてたりするところがなく安定感のある語り。

休憩

■すみえ/手品
こういうのを色物ってんでしょうね。結構な力の抜けよう。それでいて手品は見事の一言。

■喬太郎「孫、帰る」◎
めくりが「喬太郎」にかわって、出てきたのが権太楼。ドッとうける。僕は一瞬「ええっキョンキョン休演かよぉ」と不安に。すぐさま上手を気にしながら喬太郎の出。タイトルがわからなかったが、他のウェブページから判明。新作落語の講座の受講生の作品らしい。梯子から屋根に登る場面など、キョンキョンならではの持って行き様。途中、ちょっとわからなくなっちゃう所があったけど、喬太郎モードのしんみり系も入って、オチの馬鹿馬鹿しさがいやはやなんとも。

■権太楼「お化け長屋」◎
高座返しにさん喬が。めくりも「小さん」となって、権太楼登場。人気者。出てくるだけで可笑しいもんね。マクラ無しですぐに噺へ。ぐいぐい引き込んで行って最後は爆笑の連続。

■さん喬・権太楼/踊り
さん喬▼今日は最終日だから堅い踊りをといって「黒田節」を。黒田節は最初と最後だけで、途中は「憧れのハワイ航路」にのっての踊り。○
権太楼▼「米洗い」を「加賀の女」にのせて。一番は女編。二番は男編。権太楼曰く「手は同じです。」三番はどうするかと思ったら、帯を解きはじめるではありませんか。上手へ合図すると、その帯に縋るように喬太郎登場。いやこれは理屈抜きでおもしろかったです。花◎

千秋楽だといろいろ噺家も遊ぶようだ。ラッキー。

■小菊・小春/俗曲
「あの後ではやりにくいです」と登場。途中まで小春さんも一緒。

■さん喬「死神」○
長講。どんなオチかと期待していたが、特にオチはつけずに死神の笑い声で緞帳を下げる演出。客も集中力をもって聞き込む。

とにかく、一人として外れ無し。特に中入後は本当に充実。これが2300円、みなさん来年は出かけましょう、「鈴本夏まつり」へ。それと一つ気掛かりなのは、昼席の「順子・ひろし」が「ひろしさん病気のため休演」となっていたことです。早く元気になってね。