15.7.29

ひさしぶりの鈴本演芸場。7月下席。
権太楼、歌武蔵、たい平、(文楽、文朝・・・)というプログラム。
これならお客さんも多いだろうと入ってみると、なんと2割5分の入り。
こんなものなのかとちょっと拍子抜け。

■喜助 「かつぎ屋」
元気で明るい高座。久しぶりに寄席に来たんだよねえ、という気持ちを高めてくれる雰囲気のよい高座。でも人物の描き分けがもう少しはっきりしていればと思う箇所がいくつか。

■とし松 曲独楽

■さん生 「湯屋番」
目の表情で人物の気持ちがよく伝わってくる。もう少し若旦那が色っぽくてもいい、と思うのは僕の好みか?

■たい平 「宿替え」
いつものような楽しいまくら、いつものようなテンポの良い落語、いつものようなギャグの入れ込み。久しぶりに会う「たい平落語」健在。でも、何か新鮮さがほしいなあ。こういうと、それはお客のわがまま!と言われるけど、つい、たい平には期待しちゃうわけ。

■文朝 「四人癖」
「年をとったなあ」と思わず独り言。幾重にもしわがはっきり見える。やり慣れた落語をどう流されずに演じるか、それは演者の心持ち一つ。自分が大学生のころ、いつも文朝落語から伝わってきたあのエネルギーをなつかしく思い出していた。

■のいる、こいる 漫才

■歌武蔵 「強情灸」
たい平よりもテンポが早い。自分はいいけど、年配のお客さんはついてきているのかと、つい他人の心配まで。あのどでかい体が、噺が進むにつれて、登場人物に応じて見えてくる。噺の切れ味もいい。おもしろい。

■文楽 「六尺棒」
久しぶりに聞く「六尺棒」。この落語の核は、息子が親父のマネをするところ。もっと、もっと、ねちこくマネしてほしいなあと思う自分に、すっかり上方落語体質になっていることを自覚。けっして演者が悪いのではないよねと思いつつ、頭の中には「吉朝・・・」。

■仙三郎、仙一、仙三 太神楽曲芸

■権太楼 「長短」
いいよなあ、権太楼!権太楼落語の住人は、だれでも愛したくなってしまう。気の長〜い人も、気の短〜い人も。みんないい人。満足。

 *トリ前に鈴本を出る。

権太楼には満足したが、正直なところ、最後の最後まで、3日前に見た吉朝の高座がオーバーラップしてしまっていた。あまりにもいい高座に出会った後は、数日間は他の落語を見てはいけないと実感。