15.6.8

マノアホールでの「喜多八ひとり会」報告。

今回からこれまでのホールの1階下のイベントホールのような
ところが会場に。聞くところによると、先のホールは「飲み屋」
になるとか、文化多難なり。

「THE RAKUGO」12回で喜多八師は4回目。3回に1回は「喜多八ひとり会」ということで、「演ろうと思うネタはもう誰かがやっちゃってる」と本人の弁。だからかどうかは分からないが、差別系古典落語「唖の釣」と、艶笑系珍品落語「茄子娘」、そしてたっぷり系人情噺「子は鎹」の三席。いずれもテレビではやりづらかったり、寄席ではかけづらかったりするネタばかり。

「唖の釣」は、前半マクラの淡々とした感じを引きずって、客ののりはいまひとつ。後半七兵衛さんが唖になるあたりから盛り上がる。唖のふりをするところがこの噺の眼目。意外に(といっては失礼か)明るい高座だ。
「茄子娘」は、「軽い噺を一つやって」と言ってやり始めた噺。艶っぽい娘の態も悪くない。「子は鎹」は、番頭と一緒に歩いている時に偶然「亀」を見つける演出でなく、番頭が出入りの商家
にお使いで来た「亀」を発見し居場所を確認、「熊五郎」をそれとなくひきあわせる設定。商家でのやりとりは取って付けたような場面だが、この方が亀と熊五郎の出会いの不自然さは薄らぐよう。

全体的に、虚弱体質を売りにしていた印象は一変し、元気で明るい高座だった。