15.4.25

ある方のご厚意で10数年ぶり、2回目の含笑長屋。
コピーしておいた地図を忘れてしまって、
遠い記憶だけで新栄から栄に向かって歩いていると、
小牧落語の常連さんに出会う。
僕がどこに行きたいかはお見通し。
そして場所が分かっていないことも。
で、無事、会場に到着。

■吉坊 「宿屋町」
吉坊の声には惚れ惚れする。実に落語にマッチした声。うらやましい落語家もたくさんいるのでは、と思う。そして、なんと言っても自ら楽しんで落語をやっていることがよく伝わってくる。お客の前に自分が楽しむとは・・・と思うが、若いから許せてしまう。見ていて、こっちも楽しくなるのだがら文句はない。噺を壊さないオリジナルなくすぐりが随所にあって楽しめた。だが、会場全体の笑いは今一歩、いや今二歩というところだった。

■あさ吉 「茶の湯」
あさ吉ブレンドの「茶の湯」を楽しめた。冷静に聞くと違和感があるギャグも、あのあさ吉独特のよどみある噺ぶりの中では活きている。人物描写が弱くギャグに頼っている感は否めないが、いい味を出し始めたなあと思える奮闘ぶりだった。

■吉朝 「住吉駕籠」
何度も聴いている噺だが、それでもおもしろい!さすが吉朝。当たり前だが、前の二人と違って、しっかりとした絵が頭に浮かんでくる。かごかきや酔っぱらい、侍の姿が総天然色(いつの言葉?)で見えてくる。今まで聴いた中では一番ゆったりとした口調。そして、今日の酔っぱらいはかなりの量を飲んでいて、からむ、からむ。含笑長屋の住人に合わせると、こういうゆったりとしたペースになるのかと吉朝にぜひ聞いてみたい。

  ■お話し 関山和夫  
  上方落語の歴史と名人落語家が最後に残した言葉

■吉朝 「質屋芝居」
出囃子がどれくらい鳴り続けたのだろうか。ちっとも出てこない。何かあったの?と思うほど。高座に上るなり、「油断してたら話が終わってましたね。まだ着替えていなかったので」と一言。気持ちよく高座に上ってきたのだろうか?と岐阜の権太楼のことを聞いているだけにふっと思ってしまった。芝居話の吉朝、健在!と言いたいところだが、何か物足りない。噺の力が弱いのか、住吉駕籠ほどの客席との一体感は生まれず。とはいえ、今、吉朝は見逃せない。これは間違いない。