15.4.6

前日の雨もあがり、まさに桜満開。花見日より。
お昼から上方落語をたっぷり味わえた1日。

初お目見えの「さくら寄席」に千朝はどんな演目を並べるか。
一番太鼓を聞きながら予想した通り、
「貧乏花見」「替わり目」「鹿政談」の三席でした。

■ひろば  「阿弥陀池」 
演者の息づかいが妙に気になる。いい噺をしたいという気持ちは十分に伝わった。

■千朝  「貧乏花見」 
昨年の大草会館の楽屋で、千朝はまずお客さんと仲良くなることとが大切と言っていた。
定番の物売りの小噺から仲良くなる作戦に。よい反応を得て、「物売りと同じように
長屋という言葉も聞かれんようになりました」と噺に入る。
仕切屋がしっかりしているために、何人もの人間が登場するが安定した噺の運び。
しっかりと情景も浮かんでくる。千朝らしいくすぐりに反応も良い。
改めて聴いてみると、この噺はけっこう難しい。
噺の視点をどこに置くのかがポイント。ギャグだけに頼っていては最後までもつ噺ではないと思った一席。

■千朝  「替わり目」
多くの噺家は「替わり目」の途中、つまり女房に本音が聞かれていたところで終わるが、
千朝は必ずオチまで仕上げる。何度も聴いているが、今日は、いよいよ、この噺は千朝のものに
なってきたなあと思わせた1席だった。うどん屋のくだりに入っても、噺をつなぎ合わせたような感じはいっさいなく、
酔いだくれの旦那がずっと噺の中で活きていた。一本きっかりと線が通っていた。
くすぐりもまた増えていて、千朝の「替わり目」を十分に味わった。

■ 千朝 「鹿政談」 
三席目となって、やや疲れたのか。これまで聞いてきた鹿政談の中では出来は悪い方。
どこを一番聞かせたいのか迷いがあったような感じ。

さくら寄席も5回目。つまり5年目。同じ地域寄席の頑張りを目の当たりにすると、
こちらの気持ちも新たになる。