柳家喜多八独演会
平成14年12月15日(日)

演   目 
1 あくび指南
2 文七元結

パンフレットから

お運びで御礼申し上げます。今年も残り少なくなってきました。今年の笑い納めに、喜多八師匠の「文七元結」と「欠伸指南」はいかがでしょうか。

「欠伸指南」は、これぞ落語というべき滑稽噺。「文七元結」は幕末の噺家・三遊亭圓朝作の人情噺。歌舞伎や映画などにもなって親しまれている噺です。「元結」とは髷を縛る紙制のこよりのようなもののこと。弱く切れやすかったのを、桜井文七という人が丈夫な元結を開発して江戸で売り出し、髪床を中心に「文七元結」として大ブレイクしたそうです。

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さて、あと1週間でクリスマスです。街のホテルなどでは何万円もするディナーショウが人気で、豪華な食事とミュージシャンを間近に見られるとあって、結構満席状態だそうです。その味をしめてか、近頃では落語会を企画するホテルも増えてきたそうです。お弁当と落語をちょっと優雅に鑑賞しようというのでしょうか。今日12月15日は赤穂浪士の吉良邸への討ち入りの日ですが、昨日浅草の木馬亭で行われた「志の輔・ブラック「忠臣蔵」二人会」は、蕎麦つきで3300円。討ち入り前に義士たちが食したとされる蕎麦を付けた工夫がおもしろい、ちょっと廉価なディナーショウですね。落語会も工夫次第。

★★★

当会では来年より年4回のうちの1回を、東西の若手がこの小牧山の麓で激突するシリーズを始めます。そのシリーズ第1回が次回3月2日の54回例会。東からNHKの演芸大賞を受賞した真打目前の古今亭菊の丞さん(湯屋番と愛宕山)、西から桂枝雀師最後の弟子で元気いっぱいの桂紅雀さん(餅屋問答といらち俥)のお二人の激突です。フレッシュな芸のぶつかりあいにご期待ください。


今回はクリスマスを意識したパンフレット
ロビーではクリスマスソングを流しました!

からむニストから

志ん朝の死で、東京の落語は終わった−というムードもある。でも”武骨で粋”な柳家小三治を忘れちゃいけない。その弟子の喜多八は、今が旬。

小牧商工会議所会館での「第53回小牧落語を聴く会」は、柳家喜多八の独演会である。

例によって無気力を装うマクラで笑いをとり、女師匠の稽古屋は繁盛するという話から「あくび指南」に入る。運びは志ん生系だが、女師匠と勘違いするくだりは、演者の工夫。

もう一席は、この春名古屋でも演じた人情噺の大物「文七元結」。志ん朝のが、舞台の三木のり平の形をうまく取り入れていたが、それよりは圓生に近い。ただ、名人圓生だと、左官の長兵衛に吉原の佐野槌のおかみが言う皮肉が、きつく響きすぎる。喜多八の演じ方の方が、おかみが”バクチさえしなければ腕はいい”職人と承知だからこそ意見しているのが分かるし、長兵衛の心情もよく伝わるのである。(楽互家)

案内葉書