からむニスト  意気に感じた落語会

 「小牧落語を聴く会」も50回を迎えた。記念に、東西の噺家に大阪の講釈師という充実した三人会である。

 小牧は三度目の古今亭志ん橋が、まずはご祝儀にと獅子舞。大阪の、元気印で大声の林家染二(二度目)が買って出たらしい司会を務め、桂文珍風の短い漫談のあと、獅子の後見も兼ねる。

 続いて染二の「蔵丁稚」。歌舞伎が本当に好きらしく、定吉が忠臣蔵の判官切腹の場を独演するくだりなど、堂に入ったものだ。

 旭堂南左衛門は小牧にちなみ木下藤吉郎の話。彼が信長の前で、智略で面目を施すユーモア講談「長短槍試合」の一席。貫禄に、いかがわしさ(?)が程よくブレンドされた個性にぴったりあう。

 古今亭志ん橋は「居残り」をたっぷり。タイプは違うのに、おいらんのうなじのくだりなどに師匠の志ん朝がにおう。出演者が世話人の意気に感じているのが伝わってくる会だった。(楽互家)

 

50回記念 プログラム

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